映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

「シュルレアリスム100年映画祭」10月5日から開催 日本初公開作など10作品を上映

2024年7月22日 22:05

リンクをコピーしました。
ポスタービジュアル
ポスタービジュアル

20世紀最大の芸術運動、シュルレアリスム誕生から100年を記念し、シュルレアリスム映画の名作と主要人物にフォーカスしたドキュメンタリー作品で紐解く特集「シュルレアリスム100年映画祭」が10月5日からユーロスペースで開催される。日本初公開作3本、日本劇場初公開作3本を含む全10作品7プログラムを上映する。

1924年、フランスの詩人、アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表し、現代文化に幅広い影響をおよぼした20世紀最大の芸術運動、シュルレアリスムがはじまった。第一次世界大戦への抵抗や虚無感から西洋近代の科学、芸術、社会などあらゆる既成の価値観を否定、破壊した芸術運動「ダダ」を発端とし、それを凌駕せんと生まれたシュルレアリスムは、無意識の世界の探求と表出によって人間精神の解放を目指した。

この運動には、アンドレ・ブルトン、ルイ・アラゴン、ポール・エリュアール、フィリップ・スーポー、バンジャマン・ペレなどの文学者から、マックス・エルンスト、マン・レイ、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリット、ジョアン・ミロ、トワイヤン、レオノーラ・キャリントン、ルイス・ブニュエルなどの芸術家まで、錚々たる面々が集った。また、ジョルジョ・デ・キリコ、マルセル・デュシャン、パブロ・ピカソ、フリーダ・カーロなども深い繋がりがあった。

戦間期に生まれたシュルレアリスム運動は拡大していき、1930年代には黄金期を迎えるが、第二次世界大戦の勃発によりシュルレアリストの多くは亡命を余儀なくされる。しかし、それによって、シュルレアリスムの種は世界に撒かれ、各地で独自の発展を見せ、戦後の芸術、文化にも強い影響を及ぼすことになる。日本もその例外ではなかった。そして、100年後。文学、美術、思想など広範な領域にわたったその運動の精神は、今の時代にも生きている。

上映ラインナップは、シュルレアリスムのオールスターが競い合った「金で買える夢」、ルイス・ブニュエルのメキシコ時代の最高傑作と称される「皆殺しの天使」、名匠ルネ・クレール×エリック・サティによるダダイズムの短編映画「幕間」、史上初のシュルレアリスム映画「貝殻と僧侶」、シュルレアリスムを主導したアンドレ・ブルトンのドキュメンタリー「アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず」「野性の目」「2003年3月31日、オテル・ドルーオ」、シュルレアリスム絵画の理論的支柱であるマックス・エルンストのドキュメンタリー「マックス・エルンスト 放浪と衝動」、従来の美術の枠を超えて現代にも大きな影響を与えているルネ・マグリットのドキュメンタリー「謎の巨匠 ルネ・マグリット」、チェコの近代絵画を牽引したトワイヤンのドキュメンタリー「トワイヤン 真実の根源」だ。。

10月5日からユーロスペースほか全国順次開催。

▼上映プログラム
画像2
■プログラムA 「金で買える夢」
1947/アメリカ/80分/英語/カラー/原題:Dreams That Money Can Buy
監督・脚本・編集:ハンス・リヒター
原案:マックス・エルンスト、フェルナン・レジェ、マン・レイ、マルセル・デュシャン、アレクサンダー・カルダー、
ハンス・リヒター
出演:ジャック・ビットナー、ドロシー・グリフィス、マックス・エルンスト、ジョン・ラトゥーシュ
ジョーは家賃の支払いに悩む平凡な男。ある日、人の頭の中を見ることができる能力を持っていることに気づいた彼は、ビジネスを立ち上げ、欲求不満や不安を抱える人々にオーダーメイドの夢を売りはじめるが…。本編に登場する7つの夢は、マックス・エルンスト、フェルナン・レジェ、マン・レイ、マルセル・デュシャン、アレクサンダー・カルダー、ハンス・リヒターがそれぞれ原案を創作。シュルレアリスムや前衛芸術のオールスターが競い合うだけでなく、夢のパートの音楽にはジョン・ケージポール・ボウルズも参加。若き日のスタンリー・キューブリックのエキストラ出演も。
画像3
■プログラムB 「皆殺しの天使
1962/メキシコ/95分/スペイン語/B&W/原題:El angel exterminador
監督・脚本:ルイス・ブニュエル 撮影:カブリエル・フィゲロア
出演:シルビア・ピナルエンリケ・ランバル、ジャクリーヌ・アンデレ、ルシー・カリャルド、
エンリケ・G・アルバレス
ある夜、ブルジョアの邸宅で晩餐会が催される。会がはじまると、使用人たちは次々と姿を消し、執事一人が残される。晩餐を終えた招待客は、客間に腰を落ち着かせるが、夜が明けても全員が帰る方法を忘れたかのように何故か外に出ることができなくなってしまい、ついには食料も底をつき…。人間の基本的な欲求が満たされなくなるにつれ、彼らの社会性は急速に崩壊していく。解読不能な夢のようなイメージを次々と登場させブラックユーモアたっぷりに描いた本作は、ブニュエルのメキシコ時代の最高傑作と称される。第15回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞。
画像4
画像5
■プログラムC ダダからシュルレアリスムへ
「幕間」
1924/フランス/22分/B&W/原題:Entr’acte
監督・脚本:ルネ・クレール 脚本:フランシス・ピカビア
音楽:エリック・サティ
出演:ジャン・ボルラン、インゲ・フリス、フランシス・ピカビア、マン・レイ、エリック・サティ、マルセル・デュシャン
「貝殻と僧侶」
11928/フランス/39分/B&W/原題:La Coquille et le Clergyman
監督:ジェルメーヌ・デュラック 脚本:アントナン・アルトー
撮影:ジョルジュ・ペリナール
出演:アレックス・アリン、ルシアン・バタイユ、ジェニア・アタナシウ
「幕間」は、フランシス・ピカビアのバレエ「本日休演」の幕間に上映するために作られた、名匠ルネ・クレールによるダダイズムの短編映画。音楽は20世紀の音楽に多大な影響を与えたエリック・サティが担当。ピカビア、サティに加えて、マン・レイやデュシャンも出演。「貝殻と僧侶」は、歴史上初めてのシュルレアリスム映画。性的な欲望に取りつかれていく僧侶の妄想を幻想的に描いた作品。シュルレアリスムの詩人であり俳優としても知られるアントナン・アルトーの脚本をジェルメーヌ・デュラックが演出。ダダからシュルレアリスムに至る過渡期の2本を1プログラムで。
画像6
■プログラムD アンドレ・ブルトン ドキュメンタリー集 ※日本劇場初公開
「アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず」「野性の目」「2003年3月31日、オテル・ドルーオ」
2003/フランス/63分 (「アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず」27分、「野性の目」25分、「2003年3月31日、オテル・ドルーオ」11分)/フランス語/カラー/原題:André Breton malgré tout/L'œil à l'état sauvage/Hôtel Drouot, March 31st 2003
監督:ファブリス・マゼ
シュルレアリスムを主導した詩人・作家であるアンドレ・ブルトンの活動の軌跡を追ったドキュメンタリー「アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず」、彼が生涯をかけて集めたコレクションで満たされた伝説のアトリエの映像と彼の肉声によって、追い求めていたものに迫る「野性の目」、パリのオークションハウス「オテル・ドルーオ」にて、2003年に開催されたブルトンのコレクション展の開幕直前に展示室を撮影し、コレクション散逸前の全貌を記録した「2003年3月31日、オテル・ドルーオ」。ブルトンの思考、思想を深掘りする3つのドキュメンタリーを集めたプログラム。
画像7
■プログラムE 「マックス・エルンスト 放浪と衝動」※日本初公開
1991/ドイツ/100分/英語、ドイツ語/カラー/原題:Max Ernst: Mein Vagabundieren – Meine Unruhe
監督:ピーター・シャモーニ
出演:マックス・エルンスト 声の出演:ピーター・マリンカー、シェリー・トンプソン、リンダ・ジョイ
シュルレアリスム絵画の理論的支柱であり、フロッタージュやデカルコマニーといったオートマティスムの技法を駆使して多様な作品を創造した、変幻自在の画家・彫刻家マックス・エルンスト。ドイツ出身の彼は第一次大戦への出征、レオノーラ・キャリトン、ペギー・グッゲンハイムらとの恋愛や別れ、第二次大戦時の迫害と亡命、ブルトンとの確執など波乱の人生を送った。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞監督ピーター・シャモーニが、エルンストのインタビューや創作活動の貴重な映像、彼と30年連れ添ったドロテア・タニングや周囲の人々の証言などによって、その革命的な精神や創造的な思考に迫る
画像8
■プログラムF 「謎の巨匠 ルネ・マグリット」※日本初公開
2023/フランス/139分/フランス語/カラー/原題:René Magritte, le maître du Mystère
監督:ファブリス・マゼ
出演:ルネ・マグリット、ジャック・ロワザン、リリアン・サバティーニ、グザヴィエ・カノンヌ
シュルレアリスムを代表する画家の一人、ルネ・マグリット。「言葉とイメージ」の関係を探求し、絵画に哲学的要素を取り入れた彼の表現は、従来の美術の範疇にとどまらず、ポップアートやコンセプチュアルアート、広告デザイン、思想家などにも大きな影響を与えた。本作は、ベルギーでの幼少期から、デ・キリコの絵との出会い、パリのシュルレアリストたちとの交流、ブリュッセルでの国際的成功、第二次大戦期の苦境と戦後の新たな活動まで、マグリットの映像と作品もふんだんに使ってその足跡を追い、作風を移行させながら独自の世界を築いた彼の知られざる複雑な個性に迫る。
画像9
■プログラムG 「トワイヤン 真実の根源」※日本初公開
2015/フランス・チェコ/93分/フランス語/カラー/原題:Toyen, the origin of truth
監督:ジュリアン・フェランドゥ、ドミニク・フェランドゥ
出演:アニー・ル・ブラン、アンナ・プラヴドワ、フランソワーズ・カイユ、ジョルジュ・ゴルドフェン
チェコの近代絵画、シュルレアリスムを牽引したトワイヤン。本名はマリー・チェルミーノヴァ。トワイヤンという通称は、仏語で「市民」という意味の単語"citoyen"に由来する。人一倍の好奇心と探究心を持つ彼女は、大戦や共産党政権の台頭など激動の時代の中、芸術活動に取り組み、独自の表現方法を切り拓いた。サーカスや遊園地など娯楽のスケッチから始まる画家の道、画家・詩人のインジフ・シュティルスキーとの協業、「人工主義」の標榜、エロティシズムへの傾倒、シュルレアリスムへの接近、ブルトンやエリュアールらとの親交など、彼女の人生と表現について、丹念に掘り下げていく。

フォトギャラリー

アンドレ・ブルトン の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

それでも夜は明ける

それでも夜は明ける NEW

第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。

aftersun アフターサン

aftersun アフターサン NEW

父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

おすすめ情報

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る