かつて地上波で放送された日本語吹替版の映画は、放送時間の制約からシーンをカットして再編集されたものが多く、その箇所の吹替は存在していなかった。しかし、今回の特集のために、ジャッキー・チェン作品を90作以上担当したことでギネス記録にも認定され、2023年に引退したレジェンド声優・石丸が限定復活。ジャッキー初監督作の「クレージー・モンキー 笑拳」や隠れた人気作である「少林寺木人拳」などの初期の名作全7作品でカットされていたシーンの音声を追加収録した“吹替完全版”が楽しめる。
各作品の概要と放送日時は、以下の通り。
中国・江南地方のある砦では、レイ総督の還暦を祝う宴が催される一方、総督の息子シャオレイ(
ジャッキー・チェン)が、自身の子を腹に宿した恋人のチェンチェン(
ジュエ・リンロン)に非情な別れの言葉を告げていた。実は彼は、総督に恨みを抱く盗賊団“花蜂党”の来襲に備え、彼女を安全にかくまう心づもりだった。やがて女首領のディン(
シュー・フォン)に率いられた盗賊団が案の定来襲し、総督は惨殺されるが、シャオレイについ一目惚れしたディンは、彼の命を奪うことを思いとどまり……。
少林寺八派の師範たちの集いで、秘技“
蛇鶴八拳”が生み出されその秘伝書が作られた。ところが師範たちが毒殺され、秘伝書も消えてしまう。やがてそれを持っていると噂の青年拳士・徐英風(
ジャッキー・チェン)が現れる。彼は秘伝書をわざと見せ付け、犯人を探そうとしていた。
軟弱青年のゴン(
ジャッキー・チェン)は、ある屋敷の雑用の職に就くが、その屋敷が盗賊団”五毒門”のアジトであるという秘密を知ってしまい、身の危険に晒されあわてて逃げ出す。道中、賞金稼ぎでムチ使いの達人とお尋ね者が対決している場面に遭遇したゴンは、ムチ使いの達人になりすましてまんまと賞金を手に入れるが、街で豪遊しているところを五毒門の女頭領に見つかってしまう。あわやというところを謎の老人(リー・マンチン)に救われ、その強さに感動したゴンは弟子入りを志願。しつこく食い下がるゴンに根負けした老人は弟子入りの条件として、万能の秘薬を運ぶ任務についている弟子を訪ねるよう言いつける。だが、五毒門をはじめとするあらゆる悪党たちがその秘薬を狙っており、ゴンは闘いの渦中に巻き込まれることに。
少林寺から秘伝書が盗まれた。そこには、100年前に禁じられた“七殺拳”の全てが記されていた。それに対抗できるのは5つの獣を模した必殺拳“五獣拳”の使い手のみ。しかし、その秘伝書は100年前に紛失していた。そんなある日、少林寺に隕石が落下しその衝撃で書棚が倒れ、なんとそこから“五獣拳”を司る5人の妖精たちが出現。門弟のイーロン(
ジャッキー・チェン)は、彼らから五獣拳を伝授される。その頃、七殺拳の秘伝書を手に入れたロク・チン(
ジェームズ・ティエン)が、拳法界を制圧すべく、名のある拳法家たちを次々に殺害。そのことを知ったイーロンは、五獣拳VS七殺拳となるロク・チンとの究極の対決に挑む。
道場主が武術大会に優勝し、歓びの絶頂にある唐山道場。そこへ、道場主の優勝を認めないという三段蹴りの達人が現れ、圧倒的な実力差で道場主を殺し道場の看板を叩き壊して去っていく。3年後、師匠の無念を晴らすべく修行を積んだ道場主の弟子ホオウァン(
ジャッキー・チェン)は、師匠の妻と一人娘のムーラン(
ノラ・ミャオ)を連れて、三段蹴りの達人の道場を目指し旅に出るのだが―。
非道な武術家、ヤム(
イエン・シー・クアン)に反逆者の汚名を着せられ逃亡した行意門派のチェン。彼は、山で隠居生活を送りながら、一緒に暮らす孫のロン(
ジャッキー・チェン)に秘かに拳法を教えていた。何も知らない甘えっ子のロンは、人前でカンフーを見せるなというチェンの教えも知らん顔。うさんくさい道場に師匠として雇われ、「行意門」の看板を掲げる。やがて、それはヤムの一味の知るところとなり、彼らはチェンの居場所を突き止める。そして、ヤムに急襲されたチェンはロンの目の前で命を落としてしまう。復讐に燃えるロンだったが、突然現れたチェンのかつての弟子、“8本足の麒麟”に諫められ、ヤムに打ち勝つ技を会得すべく、彼の下で厳しい特訓を開始する。
正体不明の賊に父を殺され、復讐を誓った小僧・ユン(
ジャッキー・チェン)が、少林寺で修行を初めてから2年が過ぎた。だが、彼は未だに葛藤ばかりで実際のカンフーを教わる機会に恵まれない。そんなある日、ユンは洞窟の奥に鎖で繋がれた法愚(
カム・コン)と出会い、秘かにカンフーを教わることに。やがて、厳しい修行を終えたユンは、動く木製人形が集団で襲いかかる少林寺最終関門”木人路”を見事クリアすると、仇敵を捜すため少林寺を後にする。一方、脱走に成功した法愚は昔の手下らと共に、自分を捕らえた武芸者たちへの復讐を開始するが…。