旧劇映画の大スター・澤村四郎五郎を再評価 国立映画アーカイブで特別イベント実施【見どころを解説】
2023年10月9日 10:00
東京・京橋の国立映画アーカイブでは、ユネスコ「世界視聴覚遺産の日」(10月27日)を記念し、日本初の映画スター・尾上松之助と人気・実力ともに双璧をなした“大正時代の映画スター”澤村四郎五郎を再評価する特別イベントを開催する。
歌舞伎役者から転身した四郎五郎の映画は、松之助映画と同様に歌舞伎や立川文庫に材を得ながら、映像美とトリック撮影や美術の技巧、義太夫なども活かした情感表現で高い評価と人気を誇った。ところが、1924年に映画界を去って以後は、旧劇映画で、現存作もわずかなため、歴史的に顧みられることは少なくなっている。
同イベントでは、専門家による講演と、当館所蔵の澤村四郎五郎コレクションの台本と照合してデジタル復元した「五郎正宗孝子伝」(1915年)を、和洋合奏と同台本に基づく声色掛け合いでお披露目上映される。
映画.comでは、国立映画アーカイブ主任研究員・冨田美香氏に話をうかがった。四郎五郎とその映画の魅力、デジタル復元のポイント、声色掛け合い&和洋合奏という特別な上映形態について解説してくれた。
尾上松之助と人気を二分したといわれる四郎五郎ですが、映画史の文献では「松之助映画と同様、少年たちを相手の忍術、豪傑物が多かった」で済まされることが多く、評価される時も、四郎五郎映画のカメラマンで円谷英二を映画界にひきいれた枝正義郎の撮影技術についてが多いんです。枝正は先駆的で素晴らしい仕事をしたことは確かですが、今回は、四郎五郎もきちんと評価する契機にしたいんです。
四郎五郎の人気は、当時の映画雑誌をみると、女性ファンの熱量が凄い。例えば、「四五様。四五様。四郎五郎様ってば。」と甘ったるい呼びかけで始まる熱烈な投書や、「四郎党の皆様 四郎さまは何に扮しても誠に美しいのね」とか「数多の崇拝者をもつ四郎五郎が大好き。松之助のキビキビと急はしそうな立ち回りに反して、優の落ち着いた芸風がたまらなく好き」とか、「好きな四五様の為あくまでも働きませう」など、まさに“推し活”なんですよ。また、当時の映画館は、実写、短篇喜劇、活劇、旧劇(時代劇)、新派劇などが順々に上映されて、座席も、女性席、男性席、夫婦など男女同伴席、と区分けされていたのですが、ファンの女性がドキドキしながら観に行っている様子も書かれています。「いよいよ旧劇の時となりますと婦人席の四人が膝立て直して一心です。また四郎五郎様の時は顔見合わせて大ニコニコですの」なんて、その様子が目に浮かびますよね。1910年代の旧劇映画で若い女性の心をこれだけ掴んだ俳優は珍しいのではないかと思います。
江戸歌舞伎の役者として評価するファンも、男女問わず多いんです。曰く、役の性根をつかんでいる、品位がある、ケレンなど「観客相手の芸をしない」ところが俳優として尊いとか、「四郎さんの粒選り揃いの一座をもって大物歌舞伎のよいのをフィルムにして四郎さん独特の江戸式芝居をみせて呉れ給え」など、もうキリがないですね。当時の批評家の吉山旭光は、歌舞伎の魅力をも味わえる四郎五郎映画の人情、情緒の表現に魅せられて、次のように書いています。
「オットリした味わいのある義太夫物だけに、沈着いた見心地がよい。この種の物は時々見せてもらいたい。しかし日活京都派の松之助一派には望まない。矢張り天活のこの顔触れで見たいのだ。」
旭光が言った“義太夫物”とは、人形浄瑠璃や歌舞伎の義太夫狂言のように、三味線を伴奏に太夫が物語を語る浄瑠璃にあわせて、役者が芝居をすることで、心情をじっくりと味わうドラマ性の高い場面や、義太夫にあわせた俳優の所作の美しさなどを見せる、まさに視覚と聴覚、それぞれの芸と呼吸が一致してできる“見せ場”なんですよね。旭光は、「さながら芝居を見るが如く 坊太郎が母と共に水行の場は義太夫入りにて観客を唸らせた」とか、「全体を通じてケレンが主となって、シンミリした趣に乏しかったのは残念。一場か二場位は、義太夫は使わないまでも、芝居をやって、オットリした情緒を見せてもらいたい」など、再三、四郎五郎映画の義太夫物の魅力を書いているんです。ファンの投書欄にも「特に義太夫物は天活に限ります」「世話物義太夫物などが好きです」「これからは忍術ものなぞとらないでこうしんみりとしたものをお願いします」という声が多いんですよね。
今回上映する「五郎正宗孝子伝」も、歌舞伎ネタではない、浪曲などで人気を得た題材なのに、当時の台本には、義太夫のシーンが指定されていたんです。当時と言っても、当館所蔵の澤村四郎五郎コレクションにあるのは、1926年の検閲台本ですが、改めて作品を見てみると、確かに、1915年の撮影時に、義太夫にあわせて芝居をしていたと思える所作と間合いなんです。そうとは知らずに見ていた時は、なんだか大仰でやたら長いシーンだな、と思っていたのですが(笑)、義太夫の場面として見ると、情感と悲哀たっぷりのいいシーンなんですよ。しかも四郎五郎は登場しない場面で、子役が、自分を虐待する継母の病気の平癒を祈って、雪の夜に冷たい井戸の水をかぶる水行のシーンなんです。これを劇場の大画面で、生の義太夫でじっくり鑑賞したら、自分も泣いてしまうな、と思いました。作品の一番の見せ場ともいえるシーンを“子役”が魅せる、一座としての厚みですよね。
こんなに人気があった四郎五郎と彼の映画が、なぜその後、ほとんど忘れられてしまったのか。それは、現存作が極めて少ないということもありますが、彼が“旧劇映画の人”だったことが大きな原因だろうと思います。
旧劇映画とは、主に日本映画が新派(現代劇)と旧派(時代劇)の二種類に分かれていた大正時代の、旧派を指す言葉です。もちろん無声映画ですが、上映される時に、物語を説明する弁士と、登場人物たちの台詞を言う“声色(弁士)”が、劇場内でライブで“発話”するんですね。いわばライブトーキーで、当時の日本映画はそれを前提にした作りなので、映画自体には、芝居の「幕」の短いタイトルだけで、説明字幕も台詞字幕も無い。そして伴奏音楽も、芝居と同じお囃子や和洋合奏で、先ほどの義太夫も入ったりしたんです。同時代の欧米映画が、映像だけで物語や登場人物の感情まで語るカット割りで、視覚言語として成立していたのに対して、日本映画は、女性の役を女形が演じるほど、芝居の影響が強かったんです。当時の映画批評家や欧米映画の愛好家たちは、そんな日本映画を、“映画的ではない”と猛烈に批判していくんですね。関東大震災前後には、女優や阪東妻三郎など新しいスターが時代劇にも登場して、声色もなくなり、旧劇映画はもはや完全に時代遅れになってしまう。松竹の時代劇スターになっていた四郎五郎も、映画界を去って、舞台の巡業生活に入ります。日本映画史の本も、欧米映画の話法や形式を理想とした価値観で書かれたものが多く、“旧劇映画”を見直すことは、近年まであまりされてこなかったんです。現存する作品を無声のまま見ても、筋を知らない人には、ほとんど話がわからないということも一因だったでしょう。
デジタル復元でしか修正できない『五郎正宗孝子伝』の“コマ流れ”。一コマ一コマ修正……。
今回は、デジタル復元版のお披露目でもあります。実は当初、35ミリフィルムか、フィルムから作成したビデオデータでの上映を考えていました。ところが、ビデオ映像にコマがずりあがっていく“コマ流れ”の箇所が何か所もあったので、デジタル化をやり直さないといけないなと調べてみると、なんと元のポジフィルムもコマ流れの状態で焼かれていたんです。また、左右反転しているシーンが複数あることもわかりました。そこで、上映用フィルムを作り直さないといけないのかと、ネガフィルムにさかのぼって調べてみると…、なんとネガも同じ状態だったんです。さらに仰天したのは、ネガとそのネガから作成されたポジフィルムのシーンの順序が一致していない!あまりの衝撃で、呆然としましたね…。ただ、気を取り直して調べてみると、ネガフィルムとポジフィルムではシーンの順序も巻数も違うけれど、フィート数は同じで、含まれているシーンも一致していることがわかりました。昔、澤村四郎五郎コレクションの検閲台本と照合して、ポジフィルムを編集したのでしょう。今回も、検閲台本と照合してカット表をつくり、主にネガのスキャンデータから編集して、デジタル復元を実施しました。
このように急遽デジタル復元を行うことになったため、作業期間は2か月足らずで、復元のエキスパートの人たちが、連日ひたすら黙々と作業をしてくださったんです。元素材のデュープネガには、さらに元のポジフィルムにあった汚れや映写機の脱線傷が多数焼きこまれていて、それらをすべて“消す”ことは不可能でしたが、数十秒続いていたコマ流れをとめて一つ一つのコマを復元し、左右反転のカットも修正して、目立つ汚れも目立たぬようにして、映写スピードを、この作品には最適と思える12コマに設定しなおしたデータを作る…という作業です。今回のデジタル復元で、ようやくにして、四郎五郎の現存作の「五郎正宗孝子伝」をじっくり鑑賞いただける上映素材ができました。
今回は、国立映画アーカイブ初の試みとして、検閲台本に基づいた“声色掛け合い”と、三味線、フルート、和太鼓などの打楽器、琵琶といった和洋合奏で上映します。公開された当時と同じように、大きなスクリーンと、場内に広がるライブパフォーマンスの語りと音楽に全身包まれながら、四郎五郎映画ならではの旧劇映画の魅力を実感いただけると思います。本当は義太夫の場面も再現したかったのですが、残念ながら自分の力不足でかないませんでした…。実は大正時代に全国各地の映画館で、映画の呼吸にあわせて義太夫を語ることができる人を確保できていたということも、凄いことだったのかもしれません。落語にも義太夫好きの旦那の噺がよくあるように、昔は好きな人が多く、芝居小屋も多かったでしょうけれど。四郎五郎自身も趣味は義太夫という人で、関東大震災直後に九段のバラックで開催された映画上映会の余興として義太夫を語って、「関東大震災罹災民慰安に対する謝状」を貰ったほどです。そんなエピソードもあわせて、義太夫の音曲と語りをイメージしながら御覧ください。
フィルムとノン・フィルムのコレクションを駆使して、忘却の彼方におかれつつあった初期日本映画の重要な功績者とその作品の魅力を、講演と上映を通して発見しようというイベントです。初期日本映画の豊かな様相や映画文化に浸れる贅沢な機会を、お楽しみいただければと思います。
「澤村四郎五郎 あるいは旧劇映画のアンチヒーロー像」小松弘(早稲田大学文学学術院教授)※ビデオレクチャー
声色掛け合い:澤登翠、片岡一郎、樗澤賢一
和洋合奏:湯浅ジョウイチ(三味線)、鈴木真紀子(フルート)、多田恵子(打楽器)、藤高りえ子(琵琶/「高」は、はしごだか)
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