藤本国彦氏&本秀康氏、ジョージ・ハリスンの追悼ライブに参加したポール・マッカートニーについて語る「泣きそうに」
2023年8月4日 13:00

2002年に開催されたジョージ・ハリスンのトリビュートライブを映像化した「コンサート・フォー・ジョージ」のトークイベントが8月3日に東京・TOHOシネマズシャンテで行われ、劇場入場者特典として配布されている公開記念特別冊子に寄稿しているビートルズ研究家の藤本国彦氏と、同じくジョージのイラストを寄稿するなど、ジョージ・ハリスンの熱烈なファンとして知られるイラストレーターの本秀康氏が出席した。
本コンサートは、2001年に惜しまれながらもこの世を去ったハリスンの音楽と人生をたたえるため、ハリスンの妻オリビアと盟友エリック・クラプトンが中心となり、ハリスンが他界した1年後にあたる02年11月29日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催されたもの。現在、日本では、昨年にコンサート開催20周年を記念して海外で上映された高音質リマスター版で上映されている。

あらためて映画館で本コンサートを鑑賞したという本氏が「20年くらい前に観た時は、みんな歳をとったなと思いながら観ていたんですけど、今観るとみんな若いですよね」と語ると、ドッと沸いた会場内。さらに「この劇場では真ん中くらいの席で観ていたんですけど、実際にお客さまの頭ごしにスクリーンが見えたということもあったし、やはり音がいいんで、拍手の臨場感がすごかった。思わず自分も拍手しそうになったくらい」と“映画館で体感するべき”本作に興奮を隠せない様子を見せると、藤本氏も「それとやはり映画館で観るのと、DVDで観るのとはサイズが違いますからね。引きの場面が出ると、ちょうどロイヤル・アルバート・ホールにいるような、お客さんの目線で見ることができるので、それは良かった」と指摘した。

本コンサートでは、ビートルズのメンバーだったポール・マッカートニーも参加しているが、彼自身は決して主役として振る舞うことなく、あくまで脇役としてサポートをしている。その点について藤本氏が「ポールがこれだけ脇役に徹しているのは珍しい」と指摘すると、本氏が「このコンサートでは(ジョージの息子の)ダーニくんと仲がいい順に決められたんじゃないですか」とちゃかしてみせて会場は大笑い。それを補足するように藤本氏も「ダーニくんも、リンゴ・スターのことはアンクル・リンゴ(リンゴおじさん)と呼んでるけど、ポールのことはポールだもんね。親しさが見えてくるんですよね」と冗談めかし、会場を沸かせた。
そんな中、本氏が「でもあれですよ。ポールがジョージの曲を歌っているだけで泣きそうになってくるんですよ」とかみ締めるように語ると、その言葉に深くうなずいた藤本氏も「ポールの声に癒やされるんですよ。それはやはり唯一無二で。ポールが出てくると安心感がありますよね。珍しく慈愛という言葉が似合うコンサートでしたね」とコメント。そこで本氏が「やはりまわりに出ている人もいい人ばかりなんで。ポールもでしゃばれないんでしょうね」と笑ってみせると、もうひとりのビートルズのメンバーであるリンゴ・スターに関して「『想い出のフォトグラフ』と『ハニー・ドント』、(このコンサートで)自分の持ち歌を2曲歌ったのは、あの人だけですからね」と指摘して会場は大笑い。藤本氏も「リンゴは自分の世界がありますから。ポールとは対照的ですよね」と笑顔で付け加えた。

さらに本氏が「あと僕が思ったのが『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』。今までビートルズ解散後にジョージが行った数少ないライブでは必ずやってきた曲なんですけど、自分としては(1971年にジョージ主催で行われたチャリティーコンサート)『バングラデシュ・コンサート』以降はジョージの楽曲だと思って聴いていたけど、ここでは(同曲が収録されたビートルズのアルバム)「ホワイトアルバム」に入っているビートルズの曲のように聴こえるんですよ。ポールがいるだけでこんなに違うのかと。ポールのピアノだけで、ビートルズの曲だなと思える」と語ると、藤本氏も「(エリック・)クラプトンもレコードと同じように、忠実に弾こうとしているのが泣けますよね」とコメント。
その言葉に本氏が「クラプトンっていい人なんですかね。このコンサートではいい人にしか見えないけど」と疑問を投げかけると、藤本氏も「ダーニがいい人だと言っているんだからいい人なんじゃないですか?」と返してみせて、会場は大いに沸いた。
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