日本人監督がたったひとりでアマゾン奥地に住み込み撮影 神秘と未知の世界を映すドキュメンタリー「カナルタ 螺旋状の夢」
2021年7月1日 14:00
太田光海監督が、アマゾン熱帯雨林での1年にわたる壮絶な住み込み撮影を経て、第1回監督作として放つ渾身のドキュメンタリー「カナルタ 螺旋状の夢」が、10月2日からシアター・イメージフォーラムで公開される。
英国・マンチェスター大学で映像人類学の博士課程に属していた太田監督が、卒業制作のためエクアドル南部のアマゾン熱帯雨林に住む先住民、シュアール族の姿をかつてない形で描き出す異色ドキュメンタリー。
部族の知恵を受け継ぎ、森で自ら薬草を発見して回るセバスティアンと、初の女性村長であるパストーラ夫妻の家に1年間住み込んだ太田監督は、極めて個人的視点で丹念かつ詩的に彼らの日常をすくい取っていく。夢を通して絶えず更新を続ける彼らの知られざる人生観と、その生き様を映し出す。
生と死が渦巻き、過去と未来が激しく交錯する現代の森に生きるアマゾン先住民の暮らし。衝撃的展開と感受性豊かな他者への眼差しによって、観る者の生きる「現実」に新たな世界線を引き直す意欲作だ。