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ポリコレ重視の現代、挑発的ヌード写真の巨匠ヘルムート・ニュートンから学ぶこと

2020年12月11日 21:00

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「20世紀を最も騒がせた写真家」とも呼ばれたが、再評価も高まっているヘルムート・ニュートン
「20世紀を最も騒がせた写真家」とも呼ばれたが、再評価も高まっているヘルムート・ニュートン
(c) Foto Alice Springs, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation

1950年代半ばからヴォーグ誌などのファッション誌で女性を撮り続けた世界的ファッションフォトグラファー、ヘルムート・ニュートンの半生を追ったドキュメンタリー「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」が公開された。センセーショナルな作風で「20世紀を最も騒がせた写真家」とも呼ばれたニュートンの作品、写真家の素顔についてゲロ・フォン・ベーム監督に話を聞いた。

――この作品をドイツや世界の映画祭で上映し、観客やジャーナリストのどのような反応が印象に残りましたか?

反応は圧倒的でした。ハリウッド・レポーターとバラエティ、そしてロンドンのガーディアン紙……。ヘルムートのもつアンビバレンス、すなわちエロティシズムとユーモア、創意工夫の両立に関するる賛辞です。観客からの反応で言うと、様々な国でこの映画を上映したときに多くの女性が私の元に来て、「映画の中でヘルムートについて話す女性たちの心情に自分を重ね合わすことが出来ました。ヘルムートが彼女たちに力強さを与えたのだと言うことが理解できます」と語ってくれました。実際、私はもっと批判されるのを期待していた部分もあります。

――2020年は生誕100周年ということで、イタリア版ヴォーグで特集が組まれたり、ベルリンの壁で大規模な野外展示なども行われました。こうしたニュートン再評価の動きをどうご覧になっていますか?

すばらしいことです。そして彼はこのムーブメントを喜んだでしょう。彼は批評家の言うことは気にしませんでしたが、自分の作品が広く認められることを愛していました。

ゲロ・フォン・ベーム監督
ゲロ・フォン・ベーム監督
――本作から、ニュートンという写真家の複雑な魅力が、彼の育ったワイマール時代のベルリンにあるということがよく分かります。当時は何がニュートンにとって魅力的だったと思われますか? いま当時を再評価するとしたら、どういう点が現代にも学ぶ価値があると考えますか?

彼を惹きつけたのは当時の雰囲気全体でした。第一に、ベルリンのユダヤ人が数世代かけて醸造した知的雰囲気、および審美眼を養える環境が影響しているでしょう。映画、キャバレー、ダンスフロアのあるカフェ。マリアンヌ・フェイスフルは映画の中でワイマール・ドイツ表現主義の空気とジョージ・グロス、クリスチャン・シャドのような当時の偉大な画家とヘルムートを結びつけています。そして彼の師匠であり、当時確固たる自分のスタイルを確立していた世界初のファッション・フォトグラファーのうちのひとりのイーヴァ(本名:エルゼ・ジーモン)の存在を忘れてはいけません。他に大きな影響を与えたのは初期の白黒映画でした。彼の写真作品からそれを感じることが出来ると思います。映画本編から切り抜かれたシーンのように、サスペンスに満ち、その瞬間の前後の流れに対する想像力をかき立てます。

画像3(C) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation
――なぜ彼が雑誌というメディアで輝いたのだと思いますか? また、現代はポリティカリーコレクトが重んじられる時代です。そういう環境の中で、あえてニュートンの写真から学ぶものがあるとすれば、それはどんなところでしょうか?

優れた意味のある芸術には、その行程に関する深い知識と勇気という二つの要素が必要であるということを学びました。絵画、映画、写真のいずれについて語る場合にも、時にはルールを破る意志、挑発的であり、他人の反応を余り考えないという勇気なんです。私の映画は、若い写真家やアーティスト全般にとって、最高の意味で励みになるものにしたいと思っています。私たちは外見を整えられた、ポリティカルコレクトに世界全体が染まることを阻止しなければなりません。今日、それはニュートンが採った手法とは違うものでなくてはならないのですが、必要不可欠な決断であり、彼の作品とスタンスはよいお手本になると思います。

――楽曲については、どんな観点からセレクトされましたか?

サウンドトラックは、まさしくヘルムートが画角を決めるように、映画の全体的な雰囲気を固める上で重要です。「Pictures Of You」はヘルムートのキャリアが最高潮に達した1989年のものであり、ピアソラの「リベルタンゴ」はヘルムートの重要な側面である古風でエレガントな雰囲気を表しています。ちなみに、グレイス・ジョーンズは「リベルタンゴ」のボーカルバーションを演奏したことがあります。残念ながらボーカルバージョンの使用権を取得することはかなわなかったのですが、インストゥルメンタルと同様に美しいムードに満ちたその歌詞はまるでヘルムートのことを彼女らしいミステリアスな方法で語っているようです。


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