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レイモンド・カーバーの傑作を基にしたカナダの長編アニメ「新しい街 ヴィル・ヌーヴ」9月公開

2020年7月10日 07:00

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本編は墨絵の手描きアニメーション
本編は墨絵の手描きアニメーション
(C)L'unite centrale

[映画.com ニュース]日本では村上春樹の翻訳で知られている短編の名手レイモンド・カーバーの傑作小説を基にした長編アニメーション映画「新しい街 ヴィル・ヌーヴ」が、9月公開される。

本作のインスピレーションとなっているのは、カーバーによる隠れた傑作小説「シェフの家」。離婚し、過去に引きずられる男と未来へと目を向ける女の再会と2度目の別れを淡々と描き出す20ページほどの短編が、本作においては、1995年、カナダからの独立を目指し住民投票を行ったケベック州(フランス語圏)におけるカップルの物語へと移し替えられる。

その大胆な移植によって、映画は、壊れた愛を再生しようとしてすれちがうカップルの普遍的でロマンティックな物語でありつつ、世界中で高まる独立運動やそれへの弾圧といった現代の社会的な問題ともリンクする寓話へと変貌を遂げる。監督は、本作が初の長編作品となる新鋭アニメーション作家フェリックス・デュフール=ラペリエール。全編が墨絵の手描きによって生み出されるシンプルで奥深い映像美、随所に詩の朗読が挟まれる芸術的な構成が、これまでのアニメーションではあまり見られなかった成熟したテーマと物語を贅沢に語りあげる。

画像2(C)L'unite centrale

本作は、ベネチア映画祭の「ヴェニス・デイズ」部門でプレミア上映、アヌシー、ザグレブといった世界的なアニメーション映画祭でのコンペティション上映など、アニメーションのみならず映画界でも高い評価を受けた。本作を一足早く鑑賞した映画評論家の秦早穂子氏は「分かりやすさばかりが求められる時代に息苦しさを感じるあなたの死んでしまった心を掻き起す映画。男との女の色気、その関係性の陰影(ニュアンス)がざわめくなか、政治、国、そして世界が拓けて見えてくる」、アニメーション作家の山村浩二氏は「変革の鐘は鳴ったのか。未練、歯がゆさ、残り火、残光、取り戻せないものと、新しい光、希望との板挟み。前進しているようでゆっくりと後退していく感覚。モノクロームのミニマムな画面に、ケベックの黄昏の淡い色の変化を見た気がした」とコメントを寄せている。

新しい街 ヴィル・ヌーヴ」は、9月から渋谷シアター・イメージフォーラム他にて全国公開。

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