アカデミー賞の人気映画部門が見送り
2018年9月7日 14:10
[映画.com ニュース] アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、新設を予定していた「人気映画」部門の発足を見送ることを発表した。
同アカデミーは9月6日(現地時間)、新部門の発足を当面は延期し、2019年・第91回では実施しないことを発表。声明では「すでに公開された映画に対して、課題を創出することになる」と延期の理由を説明する一方で、今後も「新部門に関するデータを入手・精査する」と実現を目指す意向を示した。
声明の中で、CEOのドーン・ハドソン氏は「新部門の導入について様々な反応があり、会員たちとさらに検討を重ねる必要性があるという認識に至りました」と説明。そして、「私たちが長年オスカーに変化をもたらし続けたように、これからも90年続いてきた素晴らしいレガシーに敬意を払いながら進化し続けます」と述べた。しかし、米ハリウッド・レポーターでは、新部門の実現自体が問われることになると論じている。
人気映画部門の新設は、8月の理事会で可決されたが、対象となる作品の基準や投票方法については言及されなかったことをはじめ、その意義を問う声など非難が殺到。ジョン・ベイリー会長は、「このような反発的な反応は予想していませんでした。実際に映画を見に行っている人たちの好みを反映していないと批判してきた人たちが、なぜ反対するのかわかりません」と胸中を吐露する。人気映画部門の新設は「(授賞式の生放送の)視聴率の低下や、(その放送局の)ABCに対する安直な対応ではありません」「シリーズ超大作のための施策だという誤解があるのは残念です」とハリウッド・レポーターに語った。
またこのほど、声明では授賞式の放送時間を3時間に短縮するため、全24部門のうち、6~8部門の結果はCM放送中に発表し、受賞の様子は編集して番組内で紹介することも発表された。さらに、2020年の第92回授賞式を当初の20年2月23日から2月9日へ2週間繰り上げることも告知された。第91回アカデミー賞授賞式は19年2月24日に開催される。