米CBSの賭け 「スター・トレック」新作を自社ストリーミングサービスのみで配信
2017年10月23日 09:00

[映画.com ニュース] 米主要ネットワーク局のひとつであるCBSが、自社のストリーミングサービスCBS All Accessのみで配信する「スター・トレック:ディスカバリー」の成績に注目が集まっている。ロサンゼルス・タイムズ紙が報じている。
「スター・トレック:ディスカバリー」は、2005年に終了した「スター・トレック:エンタープライズ」以降で初めて作られたシリーズ最新作。1966~69年に放送された「宇宙大作戦」で描かれた約10年前が物語の舞台となっている。VFXやキャストが多いため1話800万ドルという高い制作費がかかっているのにも関わらず、同局はCBS All Acessでの独占配信を決定。第1話はCBSで全米放映されるものの、2話以降は同サービスのみで視聴可能となる(北米以外ではNetflixのオリジナルドラマとして配信される)。
CBSは全米1億1000万軒の家庭で視聴が可能である一方、CBS All Acessの会員数は200万人しかいない。なぜ同局はこのような賭けに出たのだろうか。アメリカではいま、テレビ視聴習慣が大きな転換期を迎えており、ケーブルテレビや衛星放送の高額パッケージ契約を解約し、NetflixやHuluなどのストリーミング視聴に切り替える視聴者が急増している。
こうした視聴者を取り込むため、有料チャンネルのHBO、Starz、Showtimeなどは独自のストリーミングサービスを開始しており、この流れに乗り遅れまいとネットワーク局のCBSも追随。CBS All Acessを3年前に発足させた際、同局で無料視聴できる番組しかないのに毎月6ドル近くする会費を払う視聴者がいるのかと疑問視されたが、「スター・トレック:ディスカバリー」のような注目作品が独占配信されるとなれば、状況も変化しそうだ。また、北米以外の権利はNetflixが1話あたり600万ドルで獲得しているため、CBSにとっては大きなリスクではなさそうだ。
「いま、テレビを巡る変化がものすごい速度で起きています」とレスリー・ムーンベス最高経営責任者は説明する。「ストリーミングは、我々の未来と、テレビの未来で大きな役割を果たすようになるはずだ」
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