中村勘九郎&七之助、浅草で神輿を先導!見物客殺到し一時パニック状態
2017年9月16日 11:00
[映画.com ニュース] 歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第29弾「シネマ歌舞伎 め組の喧嘩」が9月15日、東京・台東区で開催される「第10回したまちコメディ映画祭 in 台東」の前夜祭でジャパンプレミア上映。中村勘九郎と中村七之助が浅草公会堂での舞台挨拶に出席し、今作の思い出を語った。
2012月5月に浅草「平成中村座」で上演された「神明恵和合取組」、通称「め組の喧嘩」をスクリーンに投影。町火消の「め組」鳶頭・辰五郎らが、因縁のある相撲力士たちとの真剣勝負に挑む復しゅう劇だ。浅草への凱旋となっただけに、勘九郎は「感無量です」と目を細めた。
平成中村座は、2人の父である故中村勘三郎(18代目)さんの「江戸の芝居小屋を現代に復活させ、多くの人に歌舞伎を楽しんでもらいたい」という思いが結実。「め組の喧嘩」では勘三郎さんが辰五郎に扮しており、柴井町藤松役で同じ舞台に立った勘九郎は「『次いつやろうか、すぐにやりたい』と言っていた。それくらい人を興奮させる演目です」と思いを馳せる。続けて「出ればわかりますが、途中から(頭の)回路が吹っ飛ぶんです。辰五郎がまいた塩がパラパラとかかると『もうやってやろう』って(笑)」「(勘三郎さんは)機嫌が良かったですね。『め組』が楽しくて仕方なかったみたい。なかなかないんですが、すごく褒められたんです」と話し、七之助が「父の思い入れがある作品。いつか中村座でまたやれる機会があったら、最高ですよね」と意気込むと、場内を温かい拍手が包み込んだ。
さらに12年5月公演のカーテンコールでは、浅草の人々の働きかけで神輿が派手に登場し話題を集めたが、勘九郎は当時を「(回路が吹っ飛んだ)興奮のままお神輿が来たから、興奮のあまり肩を逆に入れちゃった」と明かす。め組の象徴とも言える“纏”を振る場面もあり、「浅草の“頭”のところに行って、一から振り方を教えてもらった。習得にはふた月ほどかかりましたし、最初のうちは手がズタズタになった」と説明した。
そしてこの日、神輿が浅草公会堂前のオレンジロードに登場した。興奮の面持ちで「やっぱり思うのは、浅草の人はバカですね!」と大笑いしていた勘九郎は、七之助とともに神輿を約50メートルにわたって先導。しかしその様子を一目見ようと沿道の見物客が殺到し、周辺はパニックに陥った。揉みくちゃになるほどの混乱が20分ほど続いたが、それでも勘九郎は神輿をバックに集合写真を撮るなど、大いに楽しんだ様子だった。
「シネマ歌舞伎 め組の喧嘩」は、11月25日から公開される。なお第10回したまちコメディ映画祭 in 台東は、9月15~18日に開催。
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