ファッショニスタは「プラネタリウム」をどう見た?BEAMSディレクター「衣装が完ぺき」
2017年9月6日 15:20
[映画.com ニュース] オスカー女優ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップが共演した映画「プラネタリウム」のトークイベントが9月5日、都内で行われ、「ビームス創造研究所」の青野賢一クリエイティブディレクターと雑誌「bis」の中郡暖菜編集長が作品の魅力を語るとともに、劇中に登場する1930年代のファッションを解説した。
舞台は、1930年代の仏パリ。ポートマンとデップ演じるスピリチュアリストの姉妹が、ある映画プロデューサーから世界初の心霊映画の製作を持ちかけられ、運命を狂わせていくさまを描く。「美しき棘」のフランス人女性監督レベッカ・ズロトブスキがメガホンをとった。
中郡氏は「最初はキラキラした映像と主演2人の美しさもあり、ガーリーな映画かと思っていたけど、どんどん深みにあるお話になっていった。異常性がピックアップされていて興味深い」と雰囲気が次第に変容していく点を見どころに挙げた。本作の衣装に関しては「エレガントだけど普段でも取り入れられる素敵なファッションがたくさん見られた」といい、「今、ビンテージがブームなんです」と劇中衣装の数々が最新トレンドにも合致すると解説した。
中郡氏に同意しつつ、「南仏のシーンだとガラッと変わってバカンス感が出る。かわいらしいスタイリングですよね」と語った青野氏は「男性のスーツもよくできている。映画好きの方だったら、昔を舞台にした映画を見ていて、シャツの形で『この時代は(このシャツは)違うんだけどな』ってなるけど、本作は時代をちゃんと検証していた。男性も女性も、衣装が完ぺきでしたね」とファッショニスタの視点で語った。
2人はそれぞれ、ポートマンとデップの魅力について言及し「ナタリー・ポートマンは精神的な演技をする。(役に)入り込んじゃっていて、(見る側が)怖い。今回もその要素がありましたね」(中郡氏)、「スピリチュアリストって美術でいうメディウム、媒介だから空っぽじゃないといけない。リリー=ローズ・デップのうつろな目とか意識がどこにあるのかわからない表情が素晴らしい。(姉役のポートマンとの)対比がいい」(青野氏)と女優陣の存在感を絶賛した。
「プラネタリウム」は、9月23日から全国公開。