窪田正孝が明かす、実写版「東京喰種」に込めた“原作回帰”への願い
2017年7月30日 12:00

[映画.com ニュース] スクリーンに映し出されたのは、紛れもなく“カネキケン”だった――世界37の国と地域での累計発行部数3000万部を誇る、石田スイ氏の人気漫画を実写化した「東京喰種 トーキョーグール」。主人公・金木研(カネキ)を演じた窪田正孝は、今回の配役について「大抜てきです。大きなチャンスをいただきました」と謙そんする。石田氏からの推薦もあって臨むことになった大役だが、劇中では巧みな表現力で“カネキ=窪田”という等式を見事に確立させている。“カネキ”として生きた約3カ月の撮影を振り返る窪田の言葉に、原作への深い愛が垣間見えた。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)
本作は、人を喰らう怪人「喰種(グール)」の臓器を移植され“半喰種”になってしまった大学生カネキが、喰種を駆逐しようとする対喰種機関「CCG」とのし烈な戦いに、苦悩しながらも身を投じるさまを描く。これまで多くのCMやミュージックビデオを手がけてきた萩原健太郎監督がメガホンをとり、清水富美加、鈴木伸之、桜田ひより、蒼井優、大泉洋、村井國夫ら豪華キャストが結集し、石田氏が生み出した唯一無二の世界を描出している。
“大喰い”の喰種・リゼ(蒼井)の内臓を移植されたことで“半喰種”と化したカネキ。窪田は変貌する前のカネキ、つまり人間としての彼の立ち居振る舞いに注意を払ったようで「自分が演じると、体が大きく見えてしまうんです。カネキというキャラクターは細身のイメージがあるので、序盤は特に体を“薄く”見せられたらいいなと考えていました。立っている時の姿勢の悪さも意識しました。入口をきちんとしておかないと、最後まで芝居がつながらないと思うんです」と告白。そして役を構築する作業は、外面である身体から内面の精神へと向かう。
「カネキを演じるうえで“主張しすぎない”という感覚はずっとありました。言葉に形がない、もしくは声に形がないという感じです。“カネキケン”という人間の形には、臓器があり、血液が流れている。でも、その内側には強い炎は宿っていない。喰種の一面が強調されていくなかで、段々とカネキ自身に色が帯びていくような感覚でした」
「東京喰種 トーキョーグール」を語るうえで欠かせないのが、赫子(かぐね)の存在だろう。赫子とは戦いの際には強力な武器としても使用される、喰種特有の捕食器官。喰種によって羽赫(うかく)、甲赫(こうかく)、鱗赫(りんかく)、尾赫(びかく)とさまざまなタイプに分かれており、劇中では最新のVFX技術、そして窪田らの流麗な動きによって、その存在が見事に再現されている。室内を舞台にした喰種・西尾錦(白石隼也)とのバトル、赫子を発動させる器官・赫包を加工して制作したクインケと呼ばれる武器を有する「CCG」捜査官の亜門鋼太朗(鈴木)との屋外戦では、窪田のアクション俳優としての一面に舌を巻く。だが、勿論赫子はCGで生み出されているため、実際の現場では目に見えない。窪田はどのように赫子を制御していったのだろうか。
「例えば、初めて赫子を発動させるニシキ戦ですが、まだまだカネキは操りきれていない状態。このシークエンスでは、どちらかというと赫子に振り回されているという部分を意識していました。服を着ているというより、服に着られている感覚です。トーカ(清水)との赫子を制御するための特訓を経て、次第に扱い方がわかるようになる展開と並行して、カネキが徐々に喰種らしくなっていくのが一番理想的でした」
米ロサンゼルスで開催された「アニメエキスポ2017」での世界初上映、ドイツ・ベルリンでのヨーロッパプレミアと、日本公開を前に世界でお披露目されてきた「東京喰種 トーキョーグール」。「世界中の方が読んでいるということを痛感して、本当に愛されている」と実感した窪田は、撮影現場では原作コミックを持ち込んで共演者と回し読みをしていたようだ。そこで話題になったのは、本作ではフィーチャーされていなかったキャラクターの“その後”。ある登場人物が「どんなマスクをつけるのだろう。それにどういうマントを着るのか。それは麻製なのか、革製なのか…」と嬉々として妄想を爆発させ、最後にある願いを吐露した。
「あくまで原作に戻って欲しいと思っています。原作未読の方には『あの2人はこういう関係性になっていたのか』と知ってもらったり、実写化を想像しながら『こういうシーンになるのかな』と見てもらえたら嬉しいです。今回の実写化によって『東京喰種 トーキョーグール』の新しい楽しみ方が、またひとつ生まれたんじゃないかなと思うんです」
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