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「きらめく拍手の音」監督が語る ろう者の両親の世界は美しい

2017年6月8日 18:00

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インタビューに応じたイギル・ボラ監督
インタビューに応じたイギル・ボラ監督

[映画.com ニュース] 26歳の韓国の新鋭女性監督イギル・ボラがろう者の両親を描いたドキュメンタリー「きらめく拍手の音」が6月10日、東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。

同映画は、ろう者の親を持つ聴者「コーダ」(Coda,Children of Deaf Adultsの略)として生まれ育ったイギル監督が、両親の生い立ち、結婚、今の生活、夢を綴ったもの。2015年、韓国で公開され、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015「アジア千波万波」部門では特別賞を受賞した。自身の“ファミリー・ヒストリー”を優しく見つめる本作はろう者の生活ぶりや、ろう者の両親を持つということがどんなことなのかを垣間見ることができる。

名刺の肩書には「監督」(director)ではなく、「語り部」(story teller)と記すイギル監督。「ドキュメンタリー監督になりたいよりも、お話を伝えたいという気持ちが強かったんです。ろう者の両親に生まれたことが、語り部としての先天的な資質だと思っています」と話す。

父・サングクさんは、元々、ろう者の国際大会にゴールキーパーとして出場したサッカー青年。ただ、サッカーだけでは食べていけず、大工となった。母・ギョンヒさんは美人でマドンナ的な存在。将来は教師になる夢があったが、ろう者では教師になれず、ミシン縫製工として働いた。サングクさんは教会の感謝祭のとき、舞台で主演するギョンヒさんにひと目ぼれ、熱烈なプロポーズの末、1989年3月にゴールイン。長女のイギル・ボラ監督、弟のグァンヒさんをもうけた。

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子どもの頃から、両親の通訳を務めなければならず、早くから大人の世界を知った。「両親は共働きで、情報量が少なかった。働いている時間に、よくドキュメンタリーを見ていました。私にとっては世界の窓でした。両親がろう者だというと、かわいそうな人、同情すべき人というふうに見られます。でも、わたしが見てきた両親の世界はそうではなかった。音声言語の代わりに、手話を使っている人たちです。手話と音声言語は次元が違うので、私が言葉で説明しても、なかなか伝わらない。だったら、私が好きなドキュメンタリーで説明してみようと思ったのです」

18歳の時に高校を中退し、東南アジアを旅しながら、旅の過程を描いた中編ドキュメンタリーを製作。2009年に韓国国立芸術大学に進み、ドキュメンタリー製作について学んだ。音のない、両親の世界は美しいという。

「手話は、顔の表情が半分以上を占める言語で、とても美しいのです。だから、手話を使っている両親が誇らしい。音声言語は遠回しに表現することが多いですが、手話はとてもストレートに表現します。『愛している』だったら、『愛している』と。『嫌い』だったら、『嫌い』と。両親は、『美しいもの』を素直に美しいと表現するから、内面も美しくなっているのではないかと感じます」

本作は、通常の翻訳字幕と異なり、ろう者でもディテールを楽しめる「バリアフリー字幕版」で公開される。ポレポレ東中野では、初日、2日目の6月10、11日、イギル監督が舞台挨拶。同17、18日には両親も舞台に立つなど各種イベントも予定されている。両親は繰り返し映画を見るなど大変気に入っているそうで、来日も楽しみにしているという。

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