大友克洋、「バベルの塔」を新解釈 塔の内側を描いた「INSIDE BABEL」を発表
2017年4月14日 14:26

[映画.com ニュース]漫画家で映画監督の大友克洋氏が、4月18日から東京・上野の東京都美術館で開催される「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」を記念し、ピーテル・ブリューゲル1世の最高傑作「バベルの塔」(1568年頃)からインスピレーションを得た作品「INSIDE BABEL」をコラージュアーティストの河村康輔氏と共同制作。13日、発表会見が都内で行われた。
かねてブリューゲルを好きな画家の一人に挙げている大友氏は、2作あるブリューゲルの「バベルの塔」のうち、ウィーン美術史美術館所蔵の作品をもとに「未来都市」(1984年)という作品も手掛けている。今回、ロッテルダムのボイマンス美術館所蔵のもう一つの「バベルの塔」が来日するにあたり、昨年同美術館に赴き、入念な研究と検証を元に独自の解釈を加えた「INSIDE BABEL」を、生み出した。
大友氏は「本物を見て、かなり緊張感をはらんだ作品だと感じた。これを壊すのは楽しいだろうと思った」と実物の「バベルの塔」と対面した感想を語り、「ブリューゲルは塔の中を考えていたと思う」と考え、塔の内部構造を描いた。自身のアイディアを表現するために50枚以上のスケッチを描き「遠近法をまた勉強し直した。スパイラル(らせん)なので、さらに難しかった」と話す。そして、「部屋の一つひとつに見入るような感じで見てほしい。内部を細かく描いたので、ぜひ足を運んで近くで見ていただきたい」と見どころを語った。
河村氏はブリューゲルの筆致を再現するために、大友氏のスケッチをスキャンし、描かれた内部構造と、ブリューゲルの「バベルの塔」を合成。彩色もブリューゲルの色づかいをデジタル作業で再現した。2万5~6000枚のレイヤーを作成したそうで「人生初です。絵を描いたようだった」と膨大で緻密な作業を振り返った。
大友氏の「INSIDE BABEL」は、4月18日から7月2日まで、東京都美術館の「ボイマンス美術館所蔵ブリューゲル『バベルの塔』展16世紀ネーデルラントの至宝 ボスを超えて」で特別公開される。
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