新鋭ヤエレ・カヤム、世界最古のユダヤ人墓地を舞台にした「オリーブの山」を語る
2016年11月22日 19:30

[映画.com ニュース] イスラエルのヤエレ・カヤム監督作「オリーブの山」が11月22日、東京・有楽町朝日ホールで開催中の第17回東京フィルメックスのコンペティション部門で上映され、カヤム監督がティーチインを行った。
ユダヤ人墓地の中の家で暮らす主婦ツヴィアは、夫と子どもたちが仕事と学校に出ていった後は一人で家事をし、時折気を紛らわすように墓地を散策する。ある夜、ツヴィアは墓地で性交する男女を目撃し、日々の生活に大きな転機が訪れる。カヤム監督の長編デビュー作で、2015年ベネチア映画祭オリゾンティ部門で上映された。
エルサレム東部のオリーブ山にある世界最古のユダヤ人墓地が物語の舞台だ。聖地である神殿の丘に程近く、宗教的にも意味深いその景観から刺激を受けたことが、本作製作のきっかけになった。「ユダヤ教、イスラム教、キリスト教にとって聖なる場所。風景にひかれて何度も通うようになり、しまいには物語の主人公のような慎ましい服装で訪問するようになりました」といい、「主人公が台所の窓から、神殿の丘を見て、いつか救世主が自分を救ってくれると信じている、それが物語の出発点になった」と説明した。
厳格なユダヤ教徒の家庭で、慎ましい生活を送っていた主婦がこれまで想像もしなかった世界に興味を抱いていく過程をストイックに描く。監督の亡き祖母の姿を主人公に反映したそうで「私が小さい頃いろんな話を聞かせてくれ、優しく、好奇心旺盛な人だったがフラストレーションもあったと思う」と語る。観客の判断にゆだねられるようなラストシーンについては「彼女の選択は問題ではなく、受け身だった人間が救済を求め、自ら行動して運命を選び取ろうとしたことが重要なのです」と強調した。
第17回東京フィルメックスは、11月27日まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。
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