日本初の同性婚映画公開、矢吹春奈「性別超えて結婚できる世の中になれば」
2016年1月9日 20:50
[映画.com ニュース] 「東京 ここは、硝子の街」などで知られる寺西一浩監督の最新作で、原作・製作総指揮・脚本・編集も兼ねた「新宿ミッドナイトベイビー」が1月9日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷でレイトショー公開された。
日本で初めて同性婚をテーマにした野心作で、寺西監督は「出演者1人1人の力が結束した。ちょっと衝撃的なところもあるが、こういう価値観、結婚観があることを知ってもらいたい」とアピール。主人公のゲイカップルの1人、アキラ役に抜てきされた久保田秀敏は「難しいテーマで、どう演じていいか最初は戸惑ったけれど、監督から指導、アドバイスを受けて、なんとか撮りきることができた」と振り返った。
アキラの妹を演じた矢吹春奈が、「ハプニングもいろいろあって、撮れなくなったシーンで監督が頭を悩ませて急きょ、別のエンディングに変わったんです。いい経験をさせてもらいました。これ、言ってもいいんですよね」とカミングアウト。いきなりの暴露にも、寺西監督は「現場はいろいろあるからねえ。中国映画などではよくあることなんだけれど、久保田くんと矢吹さんが助けてくれた。だから、2人とも世界で活躍できるよ」と穏やかな表情で応じた。
昨年4月に女優の杉森茜と結婚式を挙げた一ノ瀬文香が初日を祝うために駆け付け、寺西監督に花束を贈呈し「結婚はしたけれど、婚姻届は受理されませんでした。自然とひかれ合った2人の愛が証明される世の中になることを祈っています」と訴えた。矢吹も、「私も性別を超えて結婚できる世の中になればと思いました。この映画を見て、同じように思ってくれる人が増えたらいいな」と同意していた。