“日本最年少の映画監督”の基地への問い キヨサク、Coccoら協力の「人魚に会える日。」予告編
2015年12月18日 07:30

[映画.com ニュース] 2010年に当時13歳で長編デビューを飾った仲村颯悟監督の約5年ぶりとなる新作「人魚に会える日。」の予告編が、このほど公開された。ロックバンド「MONGOL800」のボーカルであるキヨサクが書き下ろした、柔らかなメロディが見る者の心を包む一方で、沖縄の米軍基地をめぐる切実な問いが込められた映像となっている。
「やぎの冒険」(10)がビートたけしや塚本晋也監督から絶賛され、日本最年少の映画監督として脚光を浴びた仲村監督。18歳まで住んでいた故郷・沖縄を離れ、現在は慶應義塾大学に在学している。仲村監督は、自身にとって日常の風景であった米軍基地が、本州では多くの人にとって非日常の風景であり、加えて偏向した情報しか持ち合わせていない現実を目の当たりにしたことから、「今だからこそ、伝えなければならない」と今作の製作を決意。基地への賛成、反対では片付けられない沖縄県民の思いを描くため、封印していた映画製作の扉を再び開き、14年夏に撮影を開始した。
仲村監督が14歳の時に書き上げた脚本を基にした今作は、学生有志のほかキヨサク、Coccoをはじめとする沖縄出身のアーティスト、俳優たちの協力を得て全編自主製作で撮影された。普天間基地移設予定地の辺野座を舞台に、不登校になった裕人と同級生のユメ、ジュゴンを辺野座で探すカメラマンと編集者らの心の移ろいを描いた。
また予告編では、沖縄の美しい風景とゆるやか日常が、基地をめぐる人々の苦悩や「私たちは無力なんですか?」という言葉と対置され、沖縄の“今”に存在する葛藤を浮き彫りにする。「人魚に会える日。」は、2016年2月21日から沖縄・桜坂劇場で先行公開され、16年3月3日から東京・渋谷のユーロライブほか全国順次公開。
(C)映画「人魚に会える日。」製作委員会
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