なかむら&アリアス監督が明かす、「ハーモニー」主要声優3人の“絶妙なバランス”とは?
2015年11月14日 23:05

[映画.com ニュース] 夭折の小説家・伊藤計劃さんが残した作品をアニメ映画化する「Project Itoh」の3部作のひとつ「ハーモニー」の公開記念舞台挨拶が11月14日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、沢城みゆき、上田麗奈、洲崎綾の主要声優と、なかむらたかし監督、マイケル・アリアス監督が出席した。
物語の舞台は、極端な健康志向と調和を重んじる超高度医療社会が訪れた世界。戦場の平和維持活動に従事する霧慧トァンが、数千人規模の命が奪われた事件の背後に、自殺したはずの少女・御冷ミァハが関係していることを知り、その存在を確かめるべく立ち上がる。
作品の感想を、声優陣は口をそろえて「一言では説明できない、はっきりした答えを出すことができない作品」と頭を抱える。それでも「抱腹絶倒な作品ではないが、心が動かされるという意味においては何よりもエンタメ作品といえると思う」(沢城)、「本作は、伊藤先生から投げかけられた問題。一生かかってもその答えを見つけられるか分からないが向き合っていきたい」(上田)、「生と死など、根源的な価値観を揺さぶられた」(洲崎)と言葉を選びながら、真しに語っていた。
さらに沢城は、作品のみならずキャラクター像も難解だったといい「個人のキャラクターを演じたという印象がない。トァンってどういう人かと聞かれるととても難しい。どこかぼんやりしながら演じている印象があった」とアフレコ時の苦労を吐露。これに対し、なかむら監督は「沢城さんは芝居がうまいので救われた。本作がうまくいった要因のひとつはそこにあった」とフォローしていた。
だが、なかむら監督自身もキャラクター像をつかむのに苦労したそうで「ミァハは一番難しい役で、原作を読んでも声の感じがつかめなかった」と告白。そのうえで、ミァハ役に上田を抜てきした決め手を「上田さんの声を聴いた時、少しいっちゃってる、こわれちゃってる感じがした」と説明。さらに零下堂キアン役の洲崎は「上田さんでトァン役が決まった時に、逆にキアンは普通な感じの声質を求めた。本当に普通な感じ」と明かすと、アリアス監督も「3人の対比を重視した。(キャスティング)は正解だった」と同調。沢城、上田が聞き入るなか、洲崎だけは「普通って喜んでいいんですよね!?」と激しく動揺していた。
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