仲代達矢主演「人間の條件」6部作がよみがえる 8月に一挙上映
2015年7月16日 08:00
[映画.com ニュース] 今年戦後70年を迎えるにあたり、松竹が反戦メッセージをこめた仲代達矢主演の不朽の名作「人間の條件」6部作を、35ミリフィルムで一挙上映することが決定した。東京・丸の内ピカデリー2で、8月1~7日の1週間限定で行われる。
小林正樹監督が、満州戦線に従軍した五味川純平氏の半伝的ベストセラー小説を映画化した大作。召集免除を条件に満州の鉱山に赴任した主人公・梶を通じて、戦渦における人間性を描き出す。1959~61年に「人間の條件 第1・2部」「人間の條件 第3・4部」「人間の條件 完結篇」の全6部作で劇場公開され、大ヒットを記録。第23回ベネチア国際映画祭では、サン・ジョルジュ賞(銀賞)を受賞した。
仲代は「『人間の條件』では、戦争反対を唱えるヒューマニストであった梶という人間が、結果としては戦争に参加して死んでいくことになります。被害者が加害者になっていく、戦争に対する批判を持ちながら、加害者になっていくという一つの典型を描いている。当時の軍隊とはどういうものだったか、戦争とはいかなる悲惨なものであるか、戦争の中で、人間がどう変わっていくのか、という姿をリアルに、実に克明に描いた作品です」と説明している。
さらに、今回のリバイバル上映を受け「いま、集団的自衛権などと言って、色々と戦争の方向へ向いていくんじゃないかというきな臭い時、『人間の條件』を改めて見て頂くということは、非常にタイムリーなことだと思うんです。若い人にも是非見て頂きたいと思います」とコメントを寄せた。