スーダン難民描く「グッド・ライ」R・ハワードのインタビュー&本編映像を独占入手
2015年4月16日 14:00

[映画.com ニュース] スーダン難民のアメリカ移住を描いた「グッド・ライ いちばん優しい嘘」の制作を手がけたロン・ハワードが今作について語ったインタビュー映像を、映画.comが独占入手した。
映画は、1983年に始まったアフリカ大陸スーダンでの内戦で孤児となり、10数年後「ロストボーイズ」と呼ばれるようになった難民3600人を全米各地へ移住させるという、実際に行われた計画を基にしたヒューマンドラマ。ハワードは「スーダンのリアルな姿を伝えている。“ロストボーイズ”や、当時の悲劇、それでも失わずに持ち続けた人間的な精神性の勝利。この映画はそこに焦点を当てている」という。敵兵士からの襲撃と飢えに耐え、1600キロの道のりを歩いてケニアの難民キャンプを目指す子どもたちの演技は真に迫る。
さらに今作は、難民としてやって来たロストボーイズ側と、受け入れるアメリカ側両方の視点で見ることができるという。まずは物語の中心となるロストボーイズ側の視点に立ち、「アメリカを愛するようになる推移を描きながら、さらに“移住が意味するもの”とは何なのかを考える。希望もあれば、葛藤もある」とその心労の大きさを思いやった。
一方、アメリカ側の視点はリース・ウィザースプーン扮する主人公キャリーに象徴されており、「彼女は現代的なスタイルで生きている。他人に手を貸したいが、自分の生活で手一杯なんだ」と説明する。難民に職業を紹介し、与える側にいたはずのキャリーが、逆に人生に大切なものを与えられる様子を描き、「彼女は難民たちの問題を解決しようとする。確かにいくつかの問題を解決するが、実際は彼女の方が彼らから勇気や影響を受けるんだ。それを見て観客は温かい驚きを感じるだろう」と語った。
シリアスな題材を扱う今作だが、「笑える場面も多い。そして大きな感動がある」とエンターテインメント性も持ち合わせていると語るハワード。このほど公開された本編映像にも、キャリーとロストボーイズのカルチャーギャップから生まれるコミカルなやり取りが収められている。「まったく説教じみていないのに、教訓を得られる。自分たちの文化を異なる視点で見るんだ。驚くだろうが、そうする価値は十分あるし、何よりそれ自体に面白みがあるんだ」と、それぞれの常識が通用しない状況下での、人々の歩み寄りに価値を見出した。
「グッド・ライ いちばん優しい嘘」は、4月17日から東京・有楽町のTOHOシネマズシャンテほか全国で公開。
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