親子で小津安二郎の「お早よう」鑑賞 55年前の名作に子どもたちも笑い声
2014年3月9日 19:44

[映画.com ニュース] 東京フィルメックスが小学生とその保護者を対象に、親子で映画を鑑賞する企画上映イベントが3月9日、東京・築地の松竹本社で開催。小津安二郎監督の生誕110年、没後50年およびブルーレイ発売を記念して「お早よう」が上映された。
フィルメックスと松竹が協力し、「<「映画」の時間>『お早よう』を話そう~親子鑑賞会」と銘打たれた鑑賞会。試写室で本編を鑑賞し、その後、場所を移して感想を語り合うワークショップが行われた。同作は、1959年に公開された小津監督50作目の作品。郊外の新興住宅地を舞台に、子どもたちに振り回される大人たちの姿を通じて、当時の人々の日常が映し出される。
携帯電話はもちろん、洗濯機やテレビが家庭にそろっているのが珍しい時代で、主人公の兄弟は両親にテレビをねだり、はねつけられたことをきっかけに一言も喋らないというストライキを行う。こうした時代背景が現代の子どもたちが理解しやすいように、上映前には「『お早よう』をみるときのヒント」と題し、劇中に登場する物事について説明する冊子が配られた。
半世紀以上前の作品とはいえ、子どもたちの言動に大差はない。劇中で子どもたちが“オナラ”を自在に操ろうと奮闘し、冒頭から終盤までオナラを連発するが、奇妙な音が鳴るたびに劇場には親子の笑い声が響いた。上映後のワークショップでは「年少組」「年長組」「母親組」「父母混合組」の4グループに分かれ、映画について感想を語り合い、発表を行なった。ワークショップではあえて保護者と離れて子どもたちだけのグループが作られたが、感想や印象的な場面について話すうちに打ち解け、「軽石って何?」「おじいちゃんの家の風呂場にあったよ!」など、積極的に話し合う姿が見られた。
保護者の世代にとっても、劇中で描かれる生活や習慣の中には体験したことのないことも多く、母親たちからは当時の主婦の姿についての感想、また父親たちからは名匠・小津安二郎ならではのアングルなどについての指摘が上がり、活発なワークショップとなった。終了後には、映画に登場するフラフープなど当時のおもちゃなどがお土産として配られ、普段とはひと味違う日曜日の体験に、子どもたちの表情には充実感がにじんでいた。
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