「来てけらっしゃい」山形ドキュメンタリー映画祭開催を山形弁でアピール
2013年10月2日 20:00
[映画.com ニュース]10月10日に開幕する山形国際ドキュメンタリー映画祭2013と山形の食と音楽に関する合同記者会見が10月1日、東京・銀座のレストラン「ヤマガタサンダンデロ」で行われ、それぞれの分野の代表者が、「来てけらっしゃい」と山形弁で魅力をアピールした。
今年で13回目を迎える同映画祭は、アジア初の国際ドキュメンタリー映画祭として1989年にスタートし、隔年で開催されている。コンペティション部門のほか、アジアの新進作家を発掘するプログラムや個性的な特集上映が特徴で、今年は昨年死去したフランスの映像作家クリス・マルケルの作品45本を集めた回顧上映が行われる。
映画祭は多くのボランティアスタッフによって運営されており、26年間スタッフとして参加している鈴木敏幸氏は、「ドキュメンタリー映画は巨大資本とは無縁のインディーズ。新しい表現や才能が一番発露しやすい場だと思う」と話し、冷戦時代には「秘密警察の監視を恐れていた東欧の監督もいた」と自身の経験を振り返りながら「新聞やテレビで報じきれない今の世界を感じてほしい」と呼びかけた。
映画祭東京事務局ディレクターの藤岡朝子氏は「山形ドキュメンタリー映画祭は、映画を見た後に話し合う場、交流の場として定評をいただいている。映像作品が身近になっている時代なので、貴重な作品を見に行くのではなく、思いがけない出会いを求めるお客さんが多い」と近年の傾向を語り、「学生運動の高まりを描いた小川紳介の作品の後に、アラブの春で何が起きているのかを見る。そういう組み合わせで縦横無尽に見ていただくことで、1本の映画をYoutubeで見るのとは違う出合い方がある。山形に足を運んでいただくしかない、そんなプログラムを組んでいます」とアピールした。
会場となった「ヤマガタサンダンデロ」は映画「よみがえりのレシピ」に登場する「アルケッチャーノ」の東京支店で、この日は中村政樹支配人が山形県の豊かな食材を紹介、歌手で山形お宝大使の朝倉さやは、有線インディーズランキング1位を獲得した「東京」と山形民謡「花笠音頭」を生声で披露した。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2013は10月10~17日、山形市で開催。