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三島由紀夫戯曲が映像化 「般若の心で演じた」中谷美紀に柄本佑は「怖かった…」

2013年9月30日 16:47

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三島由紀夫「近代能楽集」が豪華キャストで映像化
三島由紀夫「近代能楽集」が豪華キャストで映像化

[映画.com ニュース]「三島由紀夫生誕90年・没後45年記念プロジェクト」第1弾「近代能楽集」DVD製作発表会見が9月30日都内で開催され、「卒塔婆小町」に出演した女優の寺島しのぶ北村有起哉、「葵上」に出演した中谷美紀柄本佑、両作品でメガホンを取った根岸吉太郎監督が出席した。

「近代能楽集」日本の古典的様式美である「能」を根底におき、西洋の戯曲要素を取り入れた現代劇として、三島作品のなかでも高く評価されている。舞台作品の映像化に根岸吉太郎監督は、「大変な冒険だった。舞台とは違う、新しい映像的な要素をどうやって入れていくかを一生懸命考えました。素晴らしいキャストが三島のレトリックを一句たりともたがえずに表現し、緊張した撮影でした。舞台とも文学とも違う、新しい作品になった」と自信を見せた。

鹿鳴館時代の美女の悲恋を描いた「卒塔婆小町」で99歳の老婆を演じた寺島は、「まさか自分がこの年でやるとは思っていませんでした。自分にできるのか心配でしたが、監督が『一緒に心中してくれ』と言ってくださったので、とても気持ちが楽になりました」と難役に挑んだ感想を述べる。老婆のしわを作るために、2時間かけてシリコンで特殊メイクを施したそうで、「シリコンを取っても老婆みたいなしわが残ってしまっていて、何日も消えなくて大変でした」と撮影の裏話を明かした。

「葵上」で、かつての恋人への思いが断ち切れず、生霊となって姿を現す六条康子を演じる中谷は、「リスクがないと燃えないタイプ。お金はかけたことはないが人生でのギャンブルが好きなのでお受けした」と語る。康子は源氏物語の登場人物である六条御息所をモデルにしており、女の嫉妬や怨念を体現する役どころだ。「六条御息所は能の舞台では般若として描かれています。私も心の中に日々般若を抱きながら演じさせていただいた」と振り返った中谷の相手役を務めた柄本は「あれ、ちょっと怖いと思いながら撮影に入って、お芝居になるともっと怖かった……」と、中谷の現場での凄みのある姿を明かし会場を笑わせた。

近代能楽集「卒塔婆小町」「葵上」DVD(税込各6090円)は10月31日発売。

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