77歳からの婚活を描く吉行和子主演作「燦燦 さんさん」予告編独占入手
2013年9月13日 10:00
介護の末に最愛の夫を亡くし、ひとり暮らしを続けていた77歳の鶴本たゑ(吉行)は、人生を再び輝かせるため婚活を始める。亡き夫の親友で病院長の森口(宝田)や息子たちに猛反対されながらも、たゑはさまざまな同年代の男性と出会い、やがて日常の喜びや悲しみをともに記憶していくパートナーを探したいという、自分と似た感覚を持った誠実な男性・能勢雄一郎(山本)とめぐり合う。
予告編は、ショーウインドーに飾られたウエディングドレスを目にして婚活を決意したたゑが結婚相談所を訪れ、「淡々と過ぎていく人生の花道を、燦燦(さんさん)と輝かせてくれるお相手を探しております」と語りかける自己紹介のメッセージビデオを撮影している場面から始まる。やがて能勢と知り合いときめきを覚えたたゑは、反対する周囲の人々に「自分の最後は自分で決めたいの。自分で決められなくなる前に」と心情を吐露。亡き夫の口ぐせだった「人生、毎日がスタートライン」をモットーに、明るく前向きに生きていく姿を映し出していく。
劇中で森口が会長を務める老人クラブ「燦燦会」の会員たちやたゑの見合い相手、入院中の友人などには、蜷川幸雄が率いる平均年齢74歳の高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」のメンバーが扮している。吉行、宝田、山本といったベテラン名優たちとの息の合った掛け合いが人間味あふれる笑いを振りまき、本作を見た蜷川からも「とてもいい映画でした。吉行さんをはじめ、僕が若いときの俳優のライバルたちが出演していて懐かしかったです。ゴールドの俳優がそれぞれ個性的で生き生きとしてとてもよかった。老いについて元気づけられる映画です」とのコメントが寄せられている。
老老介護を題材に高齢夫婦の愛情を描いた短編「此の岸のこと」で2011年モナコ国際映画祭短編部門最優秀作品賞を受賞した新鋭・外山文治監督が、長編初メガホンをとった。11月16日公開。