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ワン・ビン監督が「三姉妹 雲南の子」で捉えた、貧しさを超えた“生命力”

2013年5月24日 07:00

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雲南省で新作を撮影したワン・ビン監督
雲南省で新作を撮影したワン・ビン監督

[映画.com ニュース] 第69回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリほか、世界中の映画祭で高い評価を受けたワン・ビン監督の最新ドキュメンタリー「三姉妹 雲南の子」。中国国内で最貧困といわれる雲南地方、標高3200メートルの高地にある寒村で、出稼ぎに出た父親の帰りを待ちながらたくましく生きる三姉妹の姿をとらえたワン監督に、製作の経緯や作品に込めた思いを聞いた。

「2009年、雲南を舞台に素晴らしい小説を書かれた方の家を訪問する機会がたまたまあって、その時に家の外で遊んでいた三姉妹に出くわしたんです。彼らの面倒を見る人がいないことはすぐに分かった。彼らは映画に映っているよりももっとずっと幼い感じだった。家に入れてもらい、煮たじゃがいもを一緒に食べながら、1時間ほど色々な話をしたんです。私はこれまで色々な場所で多くの人に会い、さまざまな状況を見てドキュメンタリーを撮ってきたけれど、まさに“赤貧洗うが如し”という、生きていくということがただひたすら困難であるという状況を初めて目にしました」。

母親が失踪し、父親は出稼ぎに行ってしまったため、10歳の英英(インイン)、6歳の珍珍(チェンチェン)、4歳の粉粉(フェンフェン)の3姉妹は子どもたちだけで村に暮らしている。インインは下の子の面倒を見ながら、家畜の世話や畑仕事に一日を費やす。ただし、「あの村で3姉妹の家庭だけが貧しいわけじゃなく、貧しさゆえに彼女たちを記録しようとしたわけじゃないんです。姉のインインが妹たちを世話をしている様子や、利発的で姉に色々質問する妹たち、その3人の関係性がとても面白いので、彼女たちの内面を記録できたらと思ったんです」と話す。

画像2(C)ALBUM Productions, Chinese Shadows

中国の“3姉妹”と聞いて、違和感を覚える人も多いだろう。「中国では今も『一人っ子政策』が実施されています。この政策によって悲劇が生まれた。彼女たちの両親にとっての最大の問題は、男の子を授かれないことでした。母親が家を出てしまったのもそれが原因。いくら男女平等といっても女性は社会の弱者。3姉妹もこれから成長していって社会の中でひとりの女性となった時、プレッシャーを受け続けていくと思います」という憂いもある。しかし、あくまでも「この映画は3人の少女の物語。彼女たちが生きている社会の背後にある厳しい現実も見える。ただ、生活している環境は貧しくはあるけれど、彼女たちは今まさに青春期前の楽しい時代を過ごしている。思い切り叫び、飛び上がり、その生命力は貧しさに負けないものがある。人間が持つ天性そのものを撮っていて、青春の若い力を強く感じました。子どもの世界と大人の世界は別の世界。大人の世界の事情を物語ることをやめ、子どもに集中して描写することで見えるものがありました」。

変革の時代を経験してきたワン監督だからこそ、“自由”への渇望は強い。「私は14歳から働き始め、ちょうどその頃の1981年は文化大革命が終わって改革開放に入った時代。それから80年代は、自由へ解放へと中国社会が大きく動いていった時代でした。“自由”をどう捉えて進めていこうかと、多くの人が考えていた。そして90年代で経済変革の時代に突入、その状況は今もずっと続いています。私たちの世代は変革を経験し続けてきたので、社会をどう変えるか、人生をどう生きるべきかという価値観について考えながら生きてきた世代。私の父母の時代より選択の自由があり、自分の価値観を自由に作れる。だからこそ、自分がやるべきと思ったこと、正しいことを誰にも邪魔されることなく、未知数だけどできる限りやり続けたいんです。今の時代は資金さえ調達できれば自由に作品を作ることができる。それは以前の中国では不可能なことでした。現在の社会状況の中で、撮りたいものを自分で撮り続けること。どんな制限も受けずに、制限があったとしても自分の考えを変えない。そのスタンスを貫きながら撮り続けていくことが、監督として重要なことだと思っています」。

三姉妹 雲南の子」は5月25日より公開。

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