「愛について、ある土曜日の面会室」 仏期待の新星レア・フェネール監督に聞く
2012年12月14日 15:45

[映画.com ニュース]マルセイユの刑務所を舞台に、移民や貧困など現代フランス社会の一面を映しながら、面会室へと向かう3人の心の軌跡と愛を繊細かつ力強く描いた、女性監督レア・フェネールの長編デビュー作「愛について、ある土曜日の面会室」が12月15日公開される。本作で、2009年に弱冠28歳にしてその年最も優秀な仏映画におくられるルイ・デリュック賞新人監督賞を受賞した、フェネール監督に話を聞いた。
移動劇団の座長の父と女優の母のもとで育ち、アジアを代表するドキュメンタリー作家として注目される、カンボジアのリティー・パニュ監督に師事した経歴を持つフェネール監督。自身が経験した刑務所の面会人へのボランティア体験から着想を得て、脚本を執筆した。臨場感ある展開とリアルな言葉で観客を物語へ引き込んでいく。
「自分自身の経験を映画に反映しているという意味では、とてもドキュメンタリー的と言えるかもしれません。セリフは私自身が人物像を掘り下げていき、その中で想像して書きました。両親が演劇をやっているので、私の幼少期は自然と戯曲のセリフを聞いて育っています。そういったこともある程度影響しているのかもしれません」。

警官に暴力をふるい、刑務所に入った恋人を待つ少女、みじめな生活を変えようと高い報酬で受刑者との“入れ替わり”を引き受ける男、殺された息子の死の真相を知るために、アルジェリアからやってきた母親という3人の登場人物それぞれの思いを描いた。
登場人物の設定については「面会室は、刑務所の中と外の中間点にある、言わばひとつの境界点です。塀の中と外の間の特別な場所、その面会室では、人は裏切ったり、見捨てる寸前だったり、誰かに依存したりしなかったり、そういう部分でみんなが迷っているわけです。3人の関係をつくったのは、そこからきているのかもしれません」と明かす。
若くして注目を集めることになったが、プレッシャーを感じることはないのかと問うと「私自身、それほど野心もなくこの作品をつくりましたが、日本で紹介されるまでになりました。作家主義の映画はたくさんあります。その中で私自身はまだまだなので、私の映画を見てくれる人がいるというだけでうれしいです」と笑顔を見せた。
「愛について、ある土曜日の面会室」は12月15日、シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開。
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