田中麗奈、いしだあゆみの女優魂に感服「女優ってすごい大変」
2012年12月13日 07:00

[映画.com ニュース] NHKプレミアムドラマ「歩く、歩く、歩く~四国 遍路道~」の完成披露試写会が12月12日、東京・渋谷の同局で行われ、主演の田中麗奈奈、共演のいしだあゆみ、井上順、永山絢斗、音楽を担当した作曲家でチェリストの溝口肇らが会見した。
愛媛県を舞台に、一軒の善根宿に泊まり合わせた遍路たちと宿の女主人が織りなすヒューマンドラマ。仕事や恋愛に行き詰まり四国に遍路の旅に出たフリーライター・美砂(田中)が、遍路たちに無償で食事・寝泊まりを提供する善根宿の女主人・靖子(石田)や、遍路の一夫(井上)や達也(永山)と虚実入り交じった身の上話を交わしながら、再生の一歩を踏み出していく姿を描く。
田中は、「等身大の役なので何だか自分を応援してくれているような気がして、現場で得たものは宝物。見た方も明日の勇気につなげていただけたらうれしい」と挨拶。初主演映画「がんばっていきまっしょい」(1998)も愛媛・松山が舞台だったが、「久しぶりに訪れ、当時自分のことに精一杯で見えなかった景色がよく見えた。遠いことのように『10年後は何しているのかな?』なんて言っていたけど、自分も大人になったんだなと、改めて幸せを感じた」と感慨深げに語った。
ベテランのいしだは、「素晴らしいスタッフによる独特でエレガントな作品。監督がとにかく粘る方で、これからも健気に爽やかにしぶとくいってください」と激励。演出を務めた久米麻子は、「いしださんの菩薩のような笑顔にカットをかけることができなかった。最初は女性向けのドラマを作りたかったけど、人は誰しも前を向いて歩くんだという作品になったと思う」と手応えを感じていた。音楽のほか、重要な役どころで出演も果たした溝口も、「素人俳優なのにとんでもない役をやらせてもらい、チェロのメロディはいしださんの菩薩の顔から生まれた」とインスピレーションを得ていた。
久々にいしだと共演した井上は、「歌番組ではしょっちゅうだけど、ドラマは40年ぶり以上? 現場に行くのが楽しみで仕方なかった。麗奈ちゃんのファンだし、愛媛といえばみかん、みかんといえば麗奈ちゃん」と撮影を満喫。永山は、「愛媛の景色に後押しされた。このドラマのキーワードは“嘘”。人は少しずつみんな嘘をついて生きている。心地の良い、胸揺さぶる作品になった」と胸を張った。
劇中には田中といしだが冷たい池に入っていくシーンがあり、田中は「とても冷たかったけど、いしださんがじゃぶじゃぶ入っていくので、女優ってすごい大変なんだなと改めて思った。私も40~50代になっても入ってやるぞという気になった」と大先輩に感化された様子。いしだは、「寒いからイヤでしたよ! でもスタッフがみんな池に入っちゃっているし、文句なんか言ったらバチが当たる。『ギャー!』って叫ばなきゃ風邪ひきそうだった」と女優魂を見せた。
NHKプレミアムドラマ「歩く、歩く、歩く~四国 遍路道~」は、NHKBSプレミアム2013年1月20日午後10時から放送。
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