本土復帰40年記念「ひまわり」予告公開 沖縄の現実を描く
2012年11月28日 17:00
[映画.com ニュース] 沖縄復帰40周年記念作品「ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を」の予告編が、このほど公開された。1959年に起きた石川・宮森ジェット機墜落事故を土台に、現在も米軍基地の問題にゆれる沖縄の現実を描き、「基地はいらない」という強いメッセージを日本全国に発信する。
作品は2部構成になっており、石川市(現うるか市)の住民6人と宮森小学校の児童11人が死亡、210人が負傷した59年の石川・宮森ジェット機墜落事故と、2012年を舞台にした基地と向き合う人々のドラマが描かれる。予告編では、墜落事故の惨劇がモノクロでつづられ、現代のパートが沖縄出身の4人組バンド「Civilian Skunk(シベリアンスカンク)」が手がけた主題歌「ひまわり」にのせて映し出される。
59年6月30日、嘉手納基地を離陸した米軍のジェット戦闘機が、石川市(現うるか市)に墜落し、住宅を押しつぶしながら宮森小学校に突っ込み炎上した。宮森小学校6年生の山城良太は、その事故で友人たちを失ってしまう。それから53年、良太は今も墜落事故の記憶に苦しめられていた。その頃、良太の孫・琉一は大学のゼミの仲間たちと、基地と平和について考えるピース・スカイコンサートを企画する。
主人公の山城良太役を長塚京三、良太の孫・琉一役を須賀健太(「ALWAYS」シリーズ)、琉一の恋人役を能年玲奈(「カラスの親指」)が演じる。宮森小学校の教諭役の福田沙紀ほか、沖縄の子どもたちや俳優も数多く出演する。
メガホンをとった及川善弘監督は、本作の象徴であるひまわりを引き合いにしてこう述べる。「群生するひまわりは、それぞれに頭(こうべ)を上げ、眩しい太陽から少しも目をそらしません。彼らは言葉こそ持ちませんが、その姿は私たちに強く語りかけてきます。願う明日があるのなら、決して諦めないで。高い壁にはね返されても、背中を押す誰かがいることを信じて、と。ひまわりたちのその声を、私なりに受け止め、この映画の中に刻みつけたつもりです。多くの方々にいつまでも語り継いでもらえる作品となればと強く願っています」
「ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を」は、2013年1月26日から新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。
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