クルチェット邸を舞台にした「ル・コルビュジエの家」アルゼンチンから脚本家が来日
2012年8月4日 15:00

[映画.com ニュース] 20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエが設計した邸宅で撮影された「ル・コルビュジエの家」公開を記念し8月3日、ガストン・ドゥプラット監督の兄で、本作の脚本を担当したアンドレス・ドゥプラットが来日し、都内でトークイベントを開催した。
アルゼンチン、ブエノスアイレス州都ラ・プラタに建てられたクルチェット邸を舞台に、主人公と隣人とのもめごとをシュールな笑いと皮肉で描くブラックコメディ。アルゼンチンで15万人を動員、ヨーロッパでも大ヒットを記録した。世界的に評価され、クルチェット邸に家族とともに住むデザイナー・レオナルドの隣人、ビクトルがある日ハンマーで壁をぶち破り、窓を作ると宣言。自宅をのぞかれそうな位置に大きな穴をあけたビクトルの行動や粗野な物言いに、レオナルドは脅威を感じ、そして妻にも猛反対され、パニックに陥るが……。
アンドレスは建築家、キュレーターとしても活躍しており、邸宅内にはアルゼンチンの現代アートを配置した。「クルチェット邸はル・コルビュジエがアメリカ大陸で唯一設計した家。そこを舞台にするのは物語をドラマチックにすると思った。クルチェット邸は3人目の主役になっている」と、実際は資料館として展示されている名建築を舞台とした意図を説明する。
アンドレスが実生活で体験したエピソードが本作のアイデアとなっているそうで、「社会的に成功しているのに、隣人とのコミュニケーションがうまくいかない、近いのに遠く理解し合えない世界を描きたかった」と本作のテーマを説明。そして、「南米の映画と言えば銃を持った子どもとか、貧困がテーマだと思われているが、それは均一的な見方。どこにでもある出来事、どの世界にも共通の問題を描いて、既成概念を打ち砕きたいと思った」と力強く語る。
今回が初の来日となったアンドレス。「東京は素晴らしい街。ブエノスアイレスも美しい街ですが、日本は集団的な意識が高い。特に公共の場が美しい」と芸術家の視点で東京を絶賛した。
「ル・コルビュジエの家」は9月15日から順次公開。
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