黒柳徹子、絵本作家いわさきちひろの知られざる強さを語る
2012年5月23日 21:30

[映画.com ニュース] 絵本画家いわさきちひろの人生を追ったドキュメンタリー「いわさきちひろ 27歳の旅立ち」(海南友子監督)の完成発表会見が5月23日、ちひろ美術館・東京であり、館長を務める黒柳徹子、女優の中原ひとみと海南監督らが出席した。
子どもの幸せと平和をテーマに、優しさに満ちた画風で知られるちひろだが、その半生は過酷なものだった。戦争体験や夫との死別を経て、27歳で絵の道で生きていくことを決意する。そしてその後の再婚、失業中の夫を支えながら創作に取り組んだ日々、病との戦いなど、黒柳や高畑勲らのインタビューを交えてちひろの知られざる姿を浮き彫りにする。
黒柳は、つば広の帽子が好きだったというちひろのために、華やかに装飾された麦わら帽子をかぶって登場。「人はなかなか正面から自分の過ちに向き合うことはできないと思うんです。そこをちひろさんは全力で向き合って、27歳で旅立ちます。女性として魅力的で、そして怖いなとも思います」とちひろの生きざまを称賛し、「もしちひろさんを演じてみろと言われたら、とてもできない。声を荒げることもなく、一度も涙を見せたこともない、そういう強い人はとてもできないと思います」と“鉄棒を真綿でくるんだ”と例えられるちひろの精神力を強調した。
本作エクゼクティブプロデューサーを務める山田洋次が企画し、海南監督は3年半をかけて50人に話を聞いたという。「作家としてのちひろさん以外にも、働く母として平和を望む人間として、強いちひろさんをどこかで見つけながら作品にしました。女性の人生にはいろんなステージで曲がり角があります。今を生きるすべての女性たちに大変素敵な先輩を紹介できるよい機会だと思っています」と思いを語った。
会見にはちひろの夫の松本善明氏、息子の猛氏も出席した。「戦争中全く絵を描かなかったが、戦争が終わった途端に絵を描きだす。絵の変化に精神的な変化が表れていると思います」(善明)。「母の絵が多くの方たちに今でも見ていただけるのは、母が描いた子どもの向こう側に母の生きた人生、願ったことが伝わったのだと思います」(猛)。
開館35周年を迎えるちひろ美術館・東京では、5月23日から映画公開記念展「ちひろ 27歳の旅立ち」を開催。8月26日まで。「いわさきちひろ 27歳の旅立ち」はヒューマントラストシネマ有楽町ほかで7月14日から公開。
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