渡辺裕之、監督の子息とFacebookで知り合い映画出演
2011年5月17日 20:39
[映画.com ニュース] 映画「TAKAMINE アメリカに桜を咲かせた男」の完成披露試写会が5月17日、都内で行われれ、主演の長谷川初範、渡辺裕之、田中美里が舞台挨拶に登壇した。
消化酵素タカヂアスターゼの発見やアドレナリンの結晶化など化学の分野で多大な貢献をした高峰譲吉の姿を描いた本作。なかでも、偉業のひとつであり日米の親善にも大きな影響を及ぼした、桜のアメリカへの植樹という事業を中心に歩んだ軌跡を描く。
この日は雨天にもかかわらず客席は満席。昨年の夏に行われた撮影でも記録的な大雨で、ロケ地近くの橋が流されて帰れなくなるという経験をしたという長谷川は、感無量といった面持ちで観客に感謝の思いを伝えた。高峰博士の故郷である金沢でクランクインし、その後、横浜での撮影を経て、一行はロサンゼルスへ。日本とは勝手が違う本場ハリウッドでの2週間ほどの撮影を、長谷川は「非常に濃い日々で、あっという間でした」と述懐。決して予算が豊富ではない作品とあって撮影も急ピッチだったというが「向こうでは夜の7時を過ぎると6分ごとに料金が加算されるんです。監督はドキドキしながら撮ってましたね(笑)。我々も、ほとんどワンテイクで臨んだんですが、現地のスタッフには日本人の集中力の素晴らしさをほめていただきました」と満足げに振り返った。
3人は劇中、流暢な英語を披露。ほとんど英語がしゃべれなかったという田中は、「懸命にセリフを覚えて、渡辺さんにも教えてもらいました。歩きながら英語で話すなんて! という感じで、最初は逃げ出したかったです」と照れくさそう。帰国後はすぐに英会話学校に通い始めたことを明かした。
アメリカの映画製作会社で働く、市川徹監督の子息とFacebookで出会ったことがきっかけで、今作に出演することになったという渡辺は「何が縁になるか分からない」としみじみ。特に、桜を扱った映画が今の時期に公開されることに触れ「今年ほど、桜からいろんなことを感じた年はなかった。桜の花が下を向いて花を咲かせますが、それは人に『上を見上げなさい』という思いで咲くから。いまこの映画が公開されることに運命を感じます」と語った。
来年は高峰がアメリカに桜を植えて、ちょうど100年目となり、現地ではこれを記念した祭典が開催され、今作も上映される予定となっている。