酷評されたプロデューサー逆ギレ? アイン・ランド原作、続編2本の製作を宣言
2011年5月1日 08:56
[映画.com ニュース] 全米の映画批評家から酷評されている映画のプロデューサーが、続編製作に意欲を燃やしている。酷評を浴びているのは、女性思想家アイン・ランドの小説「肩をすくめるアトラス」を映画化した「Atras Shrugged Part 1」だ。
ランドの長編小説を3部作で製作するという意欲作で、4月15日に第1弾が限定公開で封切られたばかり。無名キャスト主演の低予算インディペンデント作品に対し、「娯楽性が欠如」「まとまりがない」「作り手の自己満足」と批判が集中。ローリング・ストーン誌のピーター・トラバースは星ゼロ、シカゴ・サン・タイムズのロジャー・エバートは星ひとつと厳しい評価を下しており、米映画批評サイトRottentomatoesにおける批評の平均点は9%になっている。
しかし、この映画に1000万ドルを出資したとされるプロデューサーのジョン・アグリアロロは、ハリウッド・レポーター誌に、辛口の評価は政治的な理由によるものだと反論。利己主義こそが人間の正しい生き方であると説くアイン・ランドの主張は、アメリカの保守層に強く支持されており、実際に保守派の政治運動ティーパーティーで宣伝されていた。
そうしたアイン・ランドの思想を毛嫌いするリベラルな批評家たちが、無理やり映画をこきおろしているのだと主張している。Rottentomatoesに寄せられた一般観客の評価の平均は85%であり、映画評論家たちがいかに偏っているかを証明しているという。「連中のでたらめな批判のおかげで、活力が沸いてきた」というアグリアロロは、予定通り続編2本の製作に着手するという。