元トップモデルが衝撃的な女性性器切除を独占インタビューで告白
2010年12月24日 20:27
[映画.com ニュース] 「VOGUE」など数々の一流ファッション誌の表紙を飾った世界的トップモデル、ワリス・ディリーの自伝「砂漠の女 ディリー」を映画化した「デザートフラワー」。映画.comは、監修も手がけたディリーのインタビューを独占入手した。
ソマリアの貧しい遊牧民家庭に生まれたディリーは、父親にラクダと引き換えに結婚させられそうになって家を飛び出し、何とかロンドンでメイドとして働くチャンスを得る。やがて一流ファッションカメラマンに見出されトップモデルへと転身を遂げるが、その胸中には衝撃的な過去が秘められていた。
エルトン・ジョンをはじめ、これまで多くの著名人が映画化に興味を示してきたが、「正直なところ映画化には疑問があった。今までに何度も映画化のオファーはきていたけど、納得できる脚本がなかった。シェリー・ホーマン(監督)がアプローチしてきて、1度会って話し合ったの。私たちはおそらく幾度も衝突するだろうと思ったけど、やがて直観的に『彼女を信じてすべて任せたらいい』と悟ったわ」と振り返る。
エチオピア出身の現役トップモデル、リヤ・ケベデがワリス役を演じているが「本音を言うとね、心の奥では『こんなバンビのような小娘に、私の虎のような人生が演じきれるわけがない!』と思っていたの。だけど映画が公開されて心が落ち着くと、とても誇りに思えるようになっていた」と胸の内を明かした。
1997年、ワリスは雑誌のインタビューで5歳のときにFGM(女性性器切除)を受けた事実を告白し、大反響を呼ぶ。これがきっかけとなり、当時のアナン国連事務総長によりFGM廃絶のための特別大使に任命され、以来、世界中を駆け回って女性の人権問題を提起し続けている。
「多くの人に『あなたの人生は素晴らしい』と言われるけど、誰にだってそれぞれ人生のストーリーがある。私が歩んできた道は、運命と言えるわ。私の人生の意味が、FGMに苦しむ女性のためのものであるなら、そう生きていこうと思う。つらい経験を語るのは簡単なことじゃないけど、そうすることで誰かの助けになっていると思うと幸せなの」
そして、「アフリカは美しい国よ。ネガティブな部分が誇張されてしまいがちだけど、アフリカは悲惨な国ではないわ。この映画は見た人の視野を広げるきっかけになると思うし、きっと人生を変えるはず」と故郷への思いを語った。
「デザートフラワー」は、12月25日より全国で公開。
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