米オリンピック放送、ネットによる即時報道で視聴者激怒
2010年2月24日 11:31
[映画.com ニュース] アメリカでは、冬季オリンピックのテレビ放送がインターネットの情報より遅く、多くの競技結果が放送前に報道されているため、スポーツファンが激怒している。
バンクーバー五輪は米西海岸時間と同刻で開催されているが、独占放送権を持つNBCは、夜のゴールデンタイムに人気競技の模様をまとめた番組として放送している。そのため時差の都合上、まず東海岸で放送し、その3時間後に西海岸で同じ内容を放送している。
これまでの五輪では、この方法で特に問題はなかったのだが、今回は状況が違った。アメリカで大人気の女子スキー選手リンゼイ・ボンが、女子滑降競技で金メダルを獲得した際、大興奮したNBCのレポーター、 チャック・トッドが自身のツイッターのページに喜びのコメントを書き込んだ。ところが、この時点で西海岸の住人は放送を見ていなかったため、この書き込みに激怒したというわけだ。
問題は、トッドの件が氷山の一角に過ぎず、このようなブログやツイッターによる速報が後を絶たないことだ。東海岸の放送でさえ、生中継ではないものがほとんど。NBCは、人気競技をゴールデンタイムに放送することにより、最大の視聴者を獲得することができると話しているが、それは主に広告収入の増大のためで、視聴者のことを考えているとは言い難い。同社では自社サイトには極力、オリンピックコンテンツを掲載しないようにしている。
NBCは7回連続でオリンピック放送を担当することが決まっている。今回はその6回目で、2012年のロンドン五輪まで続く。