ゴールデン・グローブ賞授賞式が中止に!米脚本家組合スト余波
2008年1月9日 12:00
[映画.com ニュース] 昨年11月5日よりストライキを決行している米脚本家組合(WGA)が1月7日、2つの歴史的な勝利を収めた。まず一つは、1週間後の13日夜に開催が予定されていたゴールデン・グローブ賞授賞式を中止に追い込んだこと。もう一つは、トム・クルーズ率いる映画製作会社ユナイテッド・アーティスツ(UA)との間で労使の合意が成立したことだ。
米映画俳優組合(SAG)がWGAに同調し、レッドカーペットを彩るスターたちの出席ボイコットが確定していたゴールデン・グローブ賞の3時間半に及ぶガラ(正装)セレモニーはあえなく中止に追い込まれ、同日、放送権を持つ米NBCがニュース番組枠で受賞者を読み上げる“記者会見”形式へと変更される措置がとられるという、前代未聞の事態となった。
WGAは、加盟する1万500名の脚本家全員に、ゴールデン・グローブ賞授賞式の構成台本に協力しないよう通達。同賞を主催するハリウッド外国人記者協会(HFPA)は、先月から再三にわたって特例での暫定合意を迫ったが、WGAが拒否し続けた。13日夜にケーブルチャンネルのVH1によって放送されたブロードキャスト映画批評家協会(BFCA)賞授賞式は特例での合意に至ったが、1週間後に迫ったグローブ賞はすでにタイムアップ。今後新たな話し合いが持たれるスケジュールもないことから、HFPA&NBC側には無念の決断となった。
「我々の伝統あるセレモニーが今年開催できなくなり、また全世界で数億人の視聴者が07年に映画やTVで素晴らしい活躍をしたお気に入りのスターたちの祝宴の場が見られなくなったのは、我々全員にとって大変残念なことだ」と、HFPAのホルヘ・カマラ会長はコメント。「ゴールデン・グローブ賞の授与は会見形式で、かねてからの予定通りの日に発表される」(受賞者は予定通りにビバリー・ヒルトンで発表される)
この言葉を受けたWGAの広報は、「もし本当にセレモニーの形式をとらずに、記者会見形式なら、我々はピケを張る理由はない。しかし、授賞式がTVショーの形式をとるなら、すぐにもストライキ決行だ」と、特例を認めず、TV中継させない構えだ。
さて、同日朝早くには、WGAは、トム・クルーズが実権を握るユナイテッド・アーティスツ(UA)並びに姉妹会社メトロ・ゴールデン・メイヤー(MGM)との間で合意に至り、ストライキ中だった脚本家たちはUAやMGMの映画作品の脚本が書けるようになった。11月5日のスト開始以来、ハリウッドの映画製作会社との間で合意したのはこれが初めて。ある業界関係者は、インディペンデント系のワインスタイン・カンパニーやライオンズゲート・エンタテインメントの2社が、MGM/UAに追従する形で、WGA側と近く合意すると予測している。
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