いわゆる“韓流”とはひと味違う作品を紹介。KOFIC委員長が来日
2007年1月26日 12:00

韓国映画の急成長を支えているKOFIC(韓国映画振興委員会)が、配給されにくい芸術映画の海外上映に乗り出した。その最初の上映先として日本が選ばれ、アン・ジョンスク委員長がPRのために来日した。
「KOFICでは商業映画は投資組合を通して間接的に支援し、市場論理に任せると死んでしまう芸術映画は製作から直接支援しています。今回、『アートフィルム・ショーケース』と題して約3カ月にわたり4作品を上映しますが、全作品とも我々の支援により作られた映画です」
その背景には、韓流ブームが廃れ日本への輸出が激減する中、長く残れるような秀作の種蒔きを始めることで、せっかく点いた韓国映画の火を絶やさないという思惑があるようだ。「今回の企画は、韓流ブームで画一化される前に日本で紹介されていたような多様な韓国映画を改めて紹介する機会を作ろうと始めたものなんです。KOFICとイメージフォーラムが共同で開催することによって実現させましたが、毎年続けていければと思っています」
芸術映画を製作するだけでなく、観客を海外でも発掘していこうという姿勢は素晴らしいが、そもそも韓国国内で芸術映画の観客がなかなか定着しない状態はどうしていくつもりなのだろう。「日本では60年代から80年代にかけてATGの運動があり、80年代以降はミニシアターの増加で、芸術映画ファンを形成してきました。しかし韓国ではその時期に軍事政権による映画検閲があり、外国の芸術映画はほとんど輸入できず、外国映画はハリウッド映画が中心になってしまったんです。芸術映画を観ること自体が一番の観客の育成になるのに、そのチャンスさえも与えられなかった。その後KOFICが設立されて芸術映画を作る環境は出来ましたが、観てもらわなければ意味がありません。それで芸術映画の配給や上映館の支援も始め、最近では日本のインディペンデント映画や古い映画の特集も企画しています。韓国はもちろん、日本でも韓国芸術映画ファンが根付くことを願っています」
韓国アートフィルム・ショーケースは、1月28日より渋谷イメージフォーラムにて開催。
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