映画は「作品」、作者は「監督」。黒沢清、映画の著作権を語る

2006年10月3日 12:00


※06年7月11日より、「ニュース&噂」は毎週火曜日・金曜日の週2回更新となりました

映画は「作品」、作者は「監督」。黒沢清、映画の著作権を語る

映画の著作権について問う黒沢清監督
映画の著作権について問う黒沢清監督

“映画の著作権は誰のものか”をテーマに、総勢のべ200名の日本映画監督協会の映画監督が役者・スタッフとして参加した異色作「映画監督って何だ!」。公開を11月に控え、本作に出演している黒沢清監督に話を聞いた。

本作は、映画の著作権が監督にあると認められていない現状を広く世間に知ってもらうことを目的として製作されたが、その点については「僕自身、“映画の著作権が監督ではなく製作会社にある”というのを聞いたときは驚きでした。映画は1つの“作品”です。『この映画を作ったのは誰だ?』『この作者の意図は何だ?』と聞かれたときに真っ先に頭に思い浮かべるのは監督の名前だと思います。“映画の作者は監督である”という、世間一般に当たり前のように浸透かつ共有されている価値観が、法律上では全く通用していないというのは、権利云々よりも率直に“それはおかしいだろう”という心境です」とコメントした。

続けて“商品”と“作品”の違いについて「映画は商品ではなく作品です。例えば自動車や食品なども、突き詰めていけば誰かが設計・開発を行っているかもしれませんが、世間一般ではそれは“商品”として扱われます。消費者の都合にあわせることが絶対条件です。一方で“作品”となると、必ずしも観る人の都合に合わせなくてもいいと思います。だから『どうしてそうなるの?』と聞きたくなるんです。本人が目の前にいたら捕まえて聞いてみたい、これが“作品”だと思います。映画祭などはそのような場を提供しています。明らかに映画は“作品”、そしてその作者は監督なんです」と言葉を一つ一つ噛み締めながら淡々と語った。黒沢監督は今後も積極的に啓蒙活動を続けていくようだ。

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