テロリストなのかヒーローなのか?「Vフォー・ヴェンデッタ」
2006年4月18日 12:00
イギリスでカルト的人気を誇るコミックを映画化した「Vフォー・ヴェンデッタ」。日本公開を間近に控えた4月18日、監督のジェームズ・マクティーグ、製作のジョエル・シルバー、そして物語の核となる“V”を演じたヒューゴ・ウィービングの3人が来日し、東京・新宿のパークハイアット東京で会見を行った。
ファシズム国家と化した近未来のイギリスが舞台の今作。マクティーグ監督は「テーマ性としては、現在の世界情勢に触れている部分がある。民主主義国家でもこういうことは起こり得ると思う」と真摯に語った。
また、善なのか悪なのか、テロリストなのかヒーローなのか判断が難しい謎の仮面の男“V”を演じたヒューゴ・ウィービングは「いわゆるヒーローと呼ばれるものは、パーフェクト過ぎて共感しかねる。Vは肉体的・精神的に苦痛を与えられダメージを受けた人間だが、政府に対する不満・意見をぶつける強さを持っている。今までにはないとてもダークで複雑な“本当のヒーロー”だと思う」と語ったが、プロデューサーのジョエル・シルバーは「Vはアンチヒーロー。彼の中では正しいことと間違ったことの定義がぼやけているので、善でもあり悪でもある」と、また違った意見を述べた。
「マトリックス」のスタッフが作り上げた確信犯的問題作「Vフォー・ヴェンデッタ」。Vがヒーローかテロリストかは、見る人の判断に委ねられる。
関連ニュース
「野生の島のロズ」これまでのロボット映画の定石を覆し、家族向けアニメーションの新しい地平を切り開く【ハリウッドコラムvol.358】
2024年11月7日 08:00
オリジナル 洋画 アニメ コラム