オスカー候補「クラッシュ」、DVDバラまきキャンペーン
2006年1月17日 12:00
来たるアカデミー賞へ向けて、インディペンデントスタジオのライオンズゲートが強力なキャンペーン作戦を行っている。ポール・ハギス監督の「クラッシュ」を抱える同スタジオは、ハリウッドの業界関係者になんと13万枚ものDVDを発送した。
アカデミー賞へ向けて各スタジオが配布する「スクリーナー」と呼ばれるDVDは、平均1万枚から2万枚といわれているため、ライオンズゲートはその10倍近い数をばらまいたことになる。このキャンペーンについて、ライオンズゲートのトム・オーテンバーグ社長は、すでに劇場公開が終了している「クラッシュ」が、オスカー狙いの新作映画の波に飲み込まれてしまわないために必要な措置だと説明。これほど大量のDVDを配布してしまうと、違法コピーが出回るなどのリスクが伴うが、「クラッシュ」はすでにDVDが発売されているのでダメージは少ない。また、コストに関しても、他のスタジオと張り合って大量のCM投下をするよりよっぽど安上がりだといい、「とにかく作品を観てもらうことが、このキャンペーンの狙いだ」とオーテンバーグ社長は主張する。目下、アカデミー賞レースでトップを独走する「ブロークバック・マウンテン」に、「クラッシュ」がどこまで迫ることができるか注目である。