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メル・ギブソンの新作「法王は褒めてない」

2004年1月27日 12:00

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スキャンダルの予感
スキャンダルの予感
イエス・キリストの最期の12時間をラテン語とアラム語のみで描いたメル・ギブソン監督作「ザ・パッション・オブ・クライスト」について、ローマ法王が本作を「聖書に忠実である」と称賛したという報道を、ローマ法王の個人秘書を長年務めてきたスタラニオ・ズィバイツ大司教が否定した。19日、米カトリック系通信社「カトリック・ニュース・サービス」とのインタビューで発言したもの。
大司教は12月にローマ法王が本作を鑑賞したことは認めたが、「法王がこうした作品について意見を述べることはない」と語り、ローマ法王が「キリストの死について正確に描いている」と発言したという報道を「事実ではない」と否定した。
これを受けてギブソンは、21日に開かれた福音伝道牧師4500人のための試写会の席で、バチカンの否定報道には直接触れなかったが、「最悪の事態が起きる気がする。予感が外れれば良いのだが……」と発言した。ギブソン自身は、超保守的な教会の教義を守るカトリック教徒。12年間構想を温めていたという本作を約2500万ドル(約27億円)をかけて製作した。
本作は、キリストの死に対する責任をユダヤ人に押しつけているため、反ユダヤ主義を招く恐れがあり、また、宗教間の対立をあおる危険があるとしてキリスト教・ユダヤ教両方の関係者から強く非難されていた。全米公開は、キリスト教の復活祭に向けた「四旬節」の最初の日、「灰の水曜日」にあたる2月25日に予定されている。

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