災難続きのメル・ギブソン最新作、アメリカ配給が決定!

2003年10月28日 12:00

そう言えば「サイン」で 牧師姿に
そう言えば「サイン」で 牧師姿に

メル・ギブソン監督の問題作「ザ・パッション・オブ・クライスト」の配給会社が、ついに決定した。イエス・キリストの最後の12時間を、同時代にシリア・パレスチナ地方で使われていたラテン語、ヘブライ語とアラム語のみで描くという同作は、とくにユダヤ人団体から批判を受けているが、インディペンデント会社のニューマーケット・フィルムズが配給権を獲得。キリスト教の復活祭に向けた「四旬節」の最初の日、「灰の水曜日」にあたる2月25日に全米公開される予定だ。

ギブソンは超保守的なカトリック教徒。伝統主義的カトリックは、キリスト処刑の責任をユダヤ人に負わせる教会従来の概念を廃した第二バチカン公会議の典礼革命を認めず、法王庁の権威も認めていないため、同作は宗教間の対立をあおる危険があるとキリスト教・ユダヤ教両方の関係者から批判され、配給会社も決まっていなかった。

しかしギブソンは、自分も作品も反ユダヤ的ではないと主張し、映画で描くキリストの死は、4つの福音書にある記述に忠実で「人々を感動させるために作った作品であり、不快な思いをさせるつもりは全くない」と強調。映画関係者やキリスト教徒、ユダヤ人などを対象に試写を重ね、不安の解消に努めてきた。この結果、バチカンで行われた試写の観客からは称賛の声も得ていたという。

同作は、製作、監督、脚本を務めるギブソンが全額出資した意欲作。キリスト役をジム・カビーゼルが、マグダラのマリアをモニカ・ベルッチが演じている。

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