「スノー大統領、誕生秘話」ハンガー・ゲーム0 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
スノー大統領、誕生秘話
これまでジェニファー・ローレンス主演で、4本シリーズ化され、斬新なSFサバイバル・アクション映画として記憶に残る作品となった本シリーズ。本作は、『ハンガー・ゲーム0』のタイトル通り、ジェニファー演じるカットニスの宿敵とも言える、独裁者スノー大統領の若かりし頃を主人公に、『ハンガー・ゲーム』の誕生秘話について描いている。
『ハンガー・ゲーム』のこれまでのイメージで観に行くと、2時間半を超える大作ながら、何か物足りなさは感じる。『ハンガー・ゲーム』は、反乱軍の各地区から1人ずつ選ばれし者達が、最後の1人になるまで殺し合うサバイバル・ゲームとしての楽しみがあった。
しかし、本作のそうしたシチュエーションは、前半まで。後半は、なぜスノー大統領があれほどまでに弱き者を虐げる独裁者となり、人の命を命とも思わないような、残酷極まりない『ハンガー・ゲーム』を長きに渡って開催してきたのかという要因について、当時の彼の恋愛や友情を通しての心理的葛藤を描いている。
元々、貧しい家庭に育ったスノーは、その環境から抜け出すために、第12区出身の歌姫であるルーシーの教育係として、『ハンガー・ゲーム』で優勝をねらう。そして、第10回の記念の『ハンガー・ゲーム』の幕が切って落とされる。ひ弱なルーシーだったが、スノーのバックアップのおかげで何とか、最後の1人になり命がけのサバイバルを勝ち抜くことができる。優勝を喜んだスノーだったが、しかし、そこには、大きな落とし穴がスノーには待っていた…。
前半は、確かに当初の『ハンガー・ゲーム』の様相を見せて、それなりにサバイバル・シーンほ楽しめたが、やはり中盤からは、少し中弛みと長い上映時間に睡魔も襲ってきた。
若き日のスノー役には、お初にお目にかかったトム・ブライスが演じていたが、純粋な少年が野望を持ち、怒りを湛える青年へと成長する姿をよく演じていた。ヒロインのルーシーには、スピルバーグに『ウエスト・サイド・ストーリー』で主演に抜擢されたレイチェル・ゼグラーが務め、歌姫らしい美しい歌声を聴かせていた。また、大好きだった『ゲーム・オブ・スローンズ』にも出演していピータ―・デインクレイジが、スノーの先生役を演じていたのが、嬉しくもあり、懐かしかった。