「タイトルの意味」ぼくは君たちを憎まないことにした 小町さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルの意味
冒頭のシーンで、この主人公はパパになりきれてない男の人だなと思いましたが、ストーリーが進むにつれてだんだんパパになっていってました
そして途中何度も涙がポロポロ
それはアントワーヌが悲しむシーンじゃなくて、息子と楽しそうにしているシーン
そっちの方が深い悲しみを抱えながら、それでも息子のために頑張ってる気持ちがズシリと重くきました
突然愛する奥さんがいなくなって、それもテロによって
もう何もする気力がないような時でも幼い息子はママに会いたがるし、ご飯やお風呂のお世話もあって、その日常をどう過ごしていくか
それが「ぽくは君たちを憎まないことにした」なのだと思いました
幼い息子がいるからアントワーヌは救われたように思います
テロリストたちを憎みながら息子を育てると、きっと息子もそんな男の子に成長する、それより2人で幸せになる、とっても大変な事だと思います
テロリストたちにだけじゃなくて、助かった友達にも複雑な思いがあったようにも思えました
多分友達も自分は助かったという罪悪感があったのかもです
今の世界情勢を考えるとアントワーヌと同じような人は世界中にたくさんいて、アントワーヌみたいに憎しみより幸せになる事を選んでくれると良いけど、それよりそんな憎しみが起こらない世界になるよう改めて思いました
その友達も被害者なのに「助かって良かったね」と素直に思えないのも当然のような。
「恨まずに息子と幸せになる」を選んだアントワーヌの強さに感動でしたが、実際は本当に苦しく難しいのだろうと思います。
それでも笑う時間の多い人生を送ってほしいと思います。
最初、題名を聞いた時には、聖人君子みたいな人か、表面を取り繕うような人かと思っていましたが、映画を見ながら、主人公の苦悩が伝わってきて、ずっと考えさせられる映画でした。
助かった友達は何も悪くはないのでしょうが、恨みたくなる気持ちはとってもよくわかります。
コメントと共感ありがとうございます。
私もとてもずしりと心に残っています。
映画としてじゃなく、という感じです。
あまり話題になってない作品かもですが、たくさんの方に観てほしい作品と思いました。