「そう思っていかないと生きていけない、タイトルはきっとそんな思いなんだろう」ぼくは君たちを憎まないことにした Oliverさんの映画レビュー(感想・評価)
そう思っていかないと生きていけない、タイトルはきっとそんな思いなんだろう
最愛の人をバカども(テロリスト)に奪われたのに何故そんな仏のような心で赦すことができるのか?タイトルを見て最初はそう思ってました。
実際観てみたらやはりそんな投稿は主人公のただの綺麗事であったかのように思える。
内心は怒りと悲しみに震え葛藤する主人公の痛ましいシーンが続きます。
何度も何度も妻を想っては泣き、自殺をはかったり、まだ幼く言うことを聞かない子どもにも腹を立てる場面も。現実逃避して、棺桶やら何やらの決め事もほぼ義姉任せで義妹に怒られるシーンも。
こいつの教育は大丈夫なのか?と思ったところは国の価値観の違いなのか。
せっかくママ友が良かれと思って作ってくれた野菜のスープを子どもが嫌がったからそのまま料理を一緒にトイレに流してわぁーと喜んでいたがそれはちょっと…。
案の定、ママ友がスープは美味しかったかと聞いた時に子どもは悪気もなく「ううん!うんちっ、オェっ」と言ってました。
そんなことを一緒にするから言わんこっちゃない。ママ友達も協力して負担を減らそうとやってくれてるのに恩を仇で返してはダメだ。
パスタで遊ぶシーンもありますが食べ物で遊ぶのはちょっと。
やはり子どもには母親が必要であった。
2人の立場で考えるととても辛かった。
事故当日妻と出かけていた友人に対しても怒りと憤りのない悔しさに震えているかのように思えました。妻が真横にいながら自分だけは生き残り、腕で抱いて最期を看取ったと聞いた時も。
おそらくテロリストを憎んでなんていたら精神的にも自分の心に良くない。この先生きていけない。
だから前向きに捉えて明るく息子を幸せに育てていこうと決めたんだと思う。
実際人間というものは弱く脆い生き物だから。
本当は相当恨み憎んでいると思う。ずっとずっと涙を流しているのが証拠だ。
こういう映画を通して思うことは、今この瞬間にも戦争やテロ、犯罪などで被害に遭った同じ境遇の人たちがたくさんいるということ。アントワーヌは氷山の一角である。果たして被害者の人々は加害者に対する気持ちとどう向き合っているのか。
人からしたら赤の他人だがその人達も誰かの大切な人、という気持ちを忘れずにいないといけない。
国ガチャSSRの平和な日本に生まれてきてもっと有難いと思わないといけないな。(最近物騒ではあるが)