劇場公開日 2023年11月11日

「「こんな出産があり得るのだと、伝えてくれる」。。。これから赤ちゃんを産むすべての女性たちに贈る応援歌」1%の風景 taraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「こんな出産があり得るのだと、伝えてくれる」。。。これから赤ちゃんを産むすべての女性たちに贈る応援歌

2023年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

監督のトーク付きで観ることができ、よりはっきりとこの映画の価値がわかりました。
監督ご自身一人目は病院で出産した後、二人目を近くの助産院でうみ、出産前から出産、そしてそのあとの子育てへと、前回とは全く違う時間を過ごすことができたそうです。
選ぶのは自分ですが、現在では助産院での出産ということが、ほとんど知られていない中なので、「助産院で生むという選択肢があることを知ってほしい。その上で、自分に合った生み方を選択してほしい」という願いを込めて、四年の歳月をかけて作ったドキュメンタリーとのことです。

本当はずっと昔から戦後すぐのころまで、多くの女性たちはこんな風に出産していたのだろうと、それが生き物としての自然な姿なのだろうと思わせてくれました。生まれた赤ちゃんをへそのおがついたまま抱きしめるお母さんの表情。
一人一人に合わせて作ってくれるという助産院のおいしく健康的な食事。
自宅出産の場合では、お兄さんお姉さんが赤ちゃんを迎える様子。
やさしさにみちた印象的な場面をみせてくれます。
そして助産師さんが語る詩的で珠玉の言葉がちりばめられています。

トークでは、出産後地域で助産師さんと繋がっていることで、何でも相談できて、子育ての安心感が全く違ったということも語られていました。
現代の子育ては、とかくお母さんが孤独になりがちですが、こういう道もあったのだと見せてくれる映画でした。
トークの後の会場からの感想や質問の時間には、次々と手が上がり、「こんな映画を撮ってくれてありがとうございました」と涙ながらに語る女性もおられました。

映画の全編に流れるやさしい雰囲気に、伊勢真一監督の映画を思い出していたら、パンフレットに監督は伊勢真一監督と繋がっておられると書かれていて、納得しました。

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tara