「在ってほしい」大いなる不在 ふわりさんの映画レビュー(感想・評価)
在ってほしい
30年近く離れていた父親が認知症を患い、一人息子の卓が戸惑いながらも対峙していくストーリー。
病に優劣はなく、どんな病気も大変なのだが、認知症は改めて厳しくつらい病だと思ってしまった。
大学教授だろうが主婦だろうが関係ない。
思いもよらない言動や行動で、周りの人の心も壊れてしまうから。自分の好きだった人がいなくなってしまうから。
その人によって症状も家庭の事情も異なるわけだが、今作の人間関係はやや複雑で、どの立場にいてもつらい。父の再婚相手の息子との対話シーンで、特にそれを感じた。
大人になった卓を「たっくん」と呼ぶ父。寄り添ってくれた再婚妻の心情。色々考えると涙が出てしまった。
藤竜也の演技が流石でリアルだった。
*****
森山未来が右に位置する画が多かったような。部屋で電話してるところ、桜をバックにしたところ、車窓から景色を眺めてる場面など。印象に残った。
今作の真木よう子が一瞬、宮澤エマに似てると思ってしまった。
コメントする
トミーさんのコメント
2024年10月4日
共感ありがとうございます。
何か狙いが有ったのかもしれませんね、左側に父を置いて過去と現在の対比とか・・。一番覚えておきたい事を忘れてしまう(現妻の事)認知症の残酷さですね。