ギルバート・グレイプのレビュー・感想・評価
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しみじみと泣けてきます・・・
大好きな一本です。思うところあって改めて観なおしました。
一時、日本ではアイドル的な人気を誇ったジョニー・デップとディカプリオ。今やカルトな役もこなせる疑う余地のない世界的な実力派俳優。原題の"What's Eating Gilbert Grape"の通り表現の容易じゃない物憂げな若者とハンディキャップの少年といった難しい役柄を演じたこの二人。やはりこのころから「ただもの」ではないですよね。
なんにも起こらないアイオワの片田舎という舞台もアメリカという国柄や時代を感じさせない普遍的な雰囲気を醸し出しているんだろうなあ。全編通してしみじみと泣けてきます。この映画はきっとまた10年後に観ても同じ気持ちにさせてくれるのだろうと思います。
昨今、日本でも社会問題になっているヤングケアラーがストーリーのバックグラウンドになっています。最近、ボランティアで子供の電話悩み相談をしており似たような環境の子供たちの心の声を聴くことが何度かあり思わず感情移入してしまい筆をとった次第です。
ごく普通のアメリカの日常に潜む『What's Eating Gilbert Grape』
名作!
閉塞感
心があったまります
あなたの望みは?
ジョニー・デップもディカプリオも若かりし、30数年ちかく前の映画。随所に、チクリチクリと胸を刺してくる。まずは、ディカプリオの演技の凄みに喝采。そしてジョニー・デップの苦悩する青年ギルバートにエール。「家に縛られた長男」って設定、日本映画でもよくある感じ、と思いながら観てた。そしてもし日本で作ったらどんな作りになるのだろうと想像しながら。決定的に違うのは、日本の場合だと陰湿なんだよな。それに対しアメリカの持つ解放感は国民性もあるだろうし、広々とした風景もあるだろう。だから、あの旅立ちのラストにできるのだと思う。日本だと、逃げた、捨てたととらえかねない。そういう想像は無意味かもしれないが。
トレーラーで毎年やってくる人たち、先日観た「ノマド」を思い出した。こちらは、遊んで暮らしている裕福な層の人たちのようだが。
人にはそれぞれ持って生まれた天分てものがある。その天分に委ねて一生を送るもよし。一歩前に進んで、新たな人生を自分で切り開くのもよし。いま、そんなポジティブな気分でいる。
清涼感あふれる素敵な作品
不朽の名作とはまさにこれ
たとえ弟に知的障害があろうとも…
たとえ母が突然鯨になろうとも…
ひたすら家族で寄り添いながら、泣いて喚いて走って叫んで…何とか支え合ってる
一見地味で不自由な暮らしにも見えるけれど、ある意味現在の人々に圧倒的に足りてないものを持ててるようにも見えて…
ギルバートの心は愛に飢えてなくて真っ直ぐで純朴で美しい
最低限の物さえ周りにあれば、あとは友達と家族とたまにキスできるガールフレンドさえいれば充分幸せだと思える暮らし
重圧ではなくジワジワと感じられる圧倒的に説得力のある温かな物語を見せてもらえたような不思議な感覚でこの映画を見終えました
ごめんなさい
表現が難しいですがとにかく大感動しました
ディカプリオやジョニーデップらの自然体の演技、ベッキー役の女優さんの癒しボイスや可愛らしさ…
すべてが美しく映り、出てくるセリフも印象的でした
母がアーニーを迎えに行くと立った時は鳥肌が立ち、ベッキーがギルバートに望みを聞いたときに「良い人間になりたい」と言ったとき…
自然と涙が溢れ笑みがこぼれ、その場にいれば彼の頬にキスしたこと間違いなしです
ディカプリオの演技必見
12ヶ月連続名作上映プロジェクト第一弾として映画館で鑑賞。名作と言われているにも関わらず今まで観たことがないと思っていたが、恐らくずーっとずーっと前に観ていたのか、何となく覚えているシーンがチラホラ。
ディカプリオは、こんな若い頃(撮影当時19歳だとか)から演技力抜群でさすがとしか言えない。オスカー助演男優賞ノミネートも納得。
昔夫を亡くしてから一切外に出なくなった太り果てた母。でもそうなったのは母親自身のせいではないし、母親自身も辛いのだと言うことを子供達はわかっている。心に葛藤を抱えながら、時には我慢できなくなることもあるが、家族のことを一番に考えているギルバートは、すごく心の優しい人。そのギルバート役のジョニーデップもよかった。ホロリと涙する作品。また数年後に観たくなりそう。
一度見て忘れられない
長髪と短髪
長髪のギルバートと、短髪のベッキー。外見や服装、住まいや家族構成、考え方も対象的な主人公のふたり。
そんなふたりが夕日を眺めたり、寝転んだりしている光景がただただ美しい。
田舎の寂れた町で、多くの呪縛のなかで生活をおくるギルバートにとって、ベッキーは初めて自分の意志で選んだ存在なのだろう。
母の尊厳を守るために家を燃やすことで、自らの尊厳を取り戻していく兄弟姉妹。そこには、きっと先に家を出た兄がえられないものが確かにあるのだろう。
他にも町を出ていく人妻や、大型商業施設から出てきたギルバートを見つけた個人商店の主人など、象徴的で印象的なシーンが多くあったが、やはり一番の見所は大スターたちのみずみずしい演技と美しい表情だと思う。
ジョニーデップの顔を初めて認識した。好感度の高い路線は嫌だったのだ...
ジョニーデップの顔を初めて認識した。好感度の高い路線は嫌だったのだろうか。現在と随分イメージが違う。デカプリオの演技が凄くて演技派認識した。レインマンのダスティンホフマンに匹敵する好演だった。
テキサスが舞台ということだが、かなり小さな田舎町のようだし当時の娯楽などあまり無かっただろうし、若者なら閉塞感に耐え難いことだろう。
同じ田舎を描くにしてもヤスミンの映画のマレーシア風景はどうか?人々の暮らしの印象はまるで違う。自然の豊かさの違いだろうか。コミュニティの人口密度だろうか。
家族愛と旅立ちを描いた名作
若かりし頃のジョニーデップとまだ幼さの残るディカプリオ、今じゃトップスターの競演作。
姉、妹、知的障害の弟を持ち、面倒を見るギルバートは優しい青年。父親は17年前に自ら命を断ち、そのショックから母親は過食症となり家に引きこもり、実質きょうだい3人が家族を養っている。
ある日トレーラーで旅をしている美しいベッキーが街にやってきて、しばらく留まることに。
ギルバートはベッキーとの邂逅によって、自身の人生を見つめ直し切り開いていく。
ギルバートとアーニーの兄弟愛、親子愛、家族愛、恋愛、友情…
時代を超えても受け継がれていく普遍的テーマで優しく包み込んでくれる。
余韻に浸れるのは、エンドロールの音楽の効果も大きい。
それにしてもディカプリオの見事な演技力、きらりと光る存在感は鳥肌もの。
愛する家、束縛する家。そこから飛び出しても「家」はあなたのこと悪く言わないよ!
ほのぼの
心温まる素朴な映画って感じで懐かしい。90年代。
刺激と不幸に慣れた私たち。
寂れゆく街でも新しいハンバーガー店ができて少し希望を感じられたころ。どこかに行けるかもしれないと思えたころ。
お母さんが都合の良い展開になるけれど、まだみんな若いしこれからなんとでもなる。世話をしているうちに45歳、みたいな方が今ならリアル。
男兄弟と姉妹が断絶しているようで気になった。お姉さんや思春期の妹にも優しくしてあげて。
保険屋のお父さんがかわいそうだった。父の不在。
ディカプリオは達者でジョニーデップはこの後いろいろ大変ね、、という目でみてしまう。
ベッキーがはつらつとしていていいけど、むしろ祖母が気になった。60過ぎて孫とトレーラ暮らしってすごい。車も直せるし。
ギルバートは純朴すぎて都会で詐欺とかに合わないといいけど…。ギルバートグレイプってフルネームがタイトルだったんだ。
ギルバートグレイプはいまどうしてるんだろう?良い暮らしを掴めたのかな?それとも都会が合わず、どこかの田舎でトランプ支持してたりするんだろうか。
ジョニーデップも当時はまさかこんな泥沼裁判想像もしてなかっただろうな。
思い返せば豪華キャスト、天才たちの饗宴
ラストは衝撃だけど思いやりに満ち溢れてもいる
主人公の旅立ちは新しい家族との絆と共に…
この映画の監督が、かつて観賞した
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」や
「サイダーハウス・ルール」と同じ人物との
認識は無かった。
94年のロードショー以来だったが
内容はほぼ忘れていたので、
小さな因習社会と特異な家族に
束縛された主人公が、
トレーラーでの自由な移動生活を
おくる少女の出現で、
どう解放されるのかと興味深く鑑賞した。
この作品は様々な社会問題を
写し取っているように思える。
家族の問題を一人で抱え込む主人公の姿は、
現代のヤングケアラーの問題にも
通じるものがある。
また、大手スーパーマーケットや
バーガーショップの進出は、
中央資本による地方社会の均一化を
想起させる。
子供の頃、私の住んでいた故郷の通りには
何でもあった。
八百屋も、米屋も、駄菓子屋も、
ラーメン屋も、貸本屋も。
そしてそれぞれの店主の顔が思い出される。
しかしその全てが今はない。
一軒の店屋も無くなってしまった。
そして、現在では小売店全てが
郊外のショッピングモールに集約され、
店主の顔が見えないのはどこでも一緒だ。
私の子供時代の登下校では
様々な店を覗きながら
社会を知ったものだろうが、
現代の多くの子供達は
そんな体験は出来ないのだろう。
代わりにネットで社会を知る時代に
なったのだろうが、
売り手の顔は見えないままだ。
私には、そんな昔の故郷に想いを寄せる
作品ともなった。
この映画のラストシーン、主人公は、
それまでの家族や因習社会の束縛から
自らを解放して旅立つ。
しかし、どこに向かって行っていこうが
中央資本の浸透が進む世界への
旅立ちではある。
食料品店夫婦のような理解ある店は
もう無いかもしれない。
まだまだ真の解放には高いハードルだ。
しかし、
彼は新しい家族との絆を育んで、
そのハードルを越えていくものと信じたい。
悩ましい鬱積した日々
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