ギルバート・グレイプのレビュー・感想・評価
全112件中、41~60件目を表示
ほのぼの
心温まる素朴な映画って感じで懐かしい。90年代。
刺激と不幸に慣れた私たち。
寂れゆく街でも新しいハンバーガー店ができて少し希望を感じられたころ。どこかに行けるかもしれないと思えたころ。
お母さんが都合の良い展開になるけれど、まだみんな若いしこれからなんとでもなる。世話をしているうちに45歳、みたいな方が今ならリアル。
男兄弟と姉妹が断絶しているようで気になった。お姉さんや思春期の妹にも優しくしてあげて。
保険屋のお父さんがかわいそうだった。父の不在。
ディカプリオは達者でジョニーデップはこの後いろいろ大変ね、、という目でみてしまう。
ベッキーがはつらつとしていていいけど、むしろ祖母が気になった。60過ぎて孫とトレーラ暮らしってすごい。車も直せるし。
ギルバートは純朴すぎて都会で詐欺とかに合わないといいけど…。ギルバートグレイプってフルネームがタイトルだったんだ。
ギルバートグレイプはいまどうしてるんだろう?良い暮らしを掴めたのかな?それとも都会が合わず、どこかの田舎でトランプ支持してたりするんだろうか。
ジョニーデップも当時はまさかこんな泥沼裁判想像もしてなかっただろうな。
思い返せば豪華キャスト、天才たちの饗宴
ラストは衝撃だけど思いやりに満ち溢れてもいる
主人公の旅立ちは新しい家族との絆と共に…
この映画の監督が、かつて観賞した
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」や
「サイダーハウス・ルール」と同じ人物との
認識は無かった。
94年のロードショー以来だったが
内容はほぼ忘れていたので、
小さな因習社会と特異な家族に
束縛された主人公が、
トレーラーでの自由な移動生活を
おくる少女の出現で、
どう解放されるのかと興味深く鑑賞した。
この作品は様々な社会問題を
写し取っているように思える。
家族の問題を一人で抱え込む主人公の姿は、
現代のヤングケアラーの問題にも
通じるものがある。
また、大手スーパーマーケットや
バーガーショップの進出は、
中央資本による地方社会の均一化を
想起させる。
子供の頃、私の住んでいた故郷の通りには
何でもあった。
八百屋も、米屋も、駄菓子屋も、
ラーメン屋も、貸本屋も。
そしてそれぞれの店主の顔が思い出される。
しかしその全てが今はない。
一軒の店屋も無くなってしまった。
そして、現在では小売店全てが
郊外のショッピングモールに集約され、
店主の顔が見えないのはどこでも一緒だ。
私の子供時代の登下校では
様々な店を覗きながら
社会を知ったものだろうが、
現代の多くの子供達は
そんな体験は出来ないのだろう。
代わりにネットで社会を知る時代に
なったのだろうが、
売り手の顔は見えないままだ。
私には、そんな昔の故郷に想いを寄せる
作品ともなった。
この映画のラストシーン、主人公は、
それまでの家族や因習社会の束縛から
自らを解放して旅立つ。
しかし、どこに向かって行っていこうが
中央資本の浸透が進む世界への
旅立ちではある。
食料品店夫婦のような理解ある店は
もう無いかもしれない。
まだまだ真の解放には高いハードルだ。
しかし、
彼は新しい家族との絆を育んで、
そのハードルを越えていくものと信じたい。
悩ましい鬱積した日々
悲惨な結末でなくてホッとした
名演がなければ、これといって、、、。
大人になってから見ると
「良い人になりたい」って言うけれど、
”良い人”ってどんな人なんだろう?って、この映画を観て思う。
家族からの囚われ、家族への囚われ、自分から・への囚われ…。
そんなに簡単に断捨離・整理できるものではない。
鬱屈、気付かないふりをしているイライラ、閉塞感。愛憎。
断ち切って自分の人生をつかもうとした長男。それと同じことを、ギルバート・エイミー・エレンができないのは、たんに勇気や才能がないからだけではないことは、ラストをみればわかる。
けれどの選択。選択させられたようで、自分で選択しているパラドックス。
とはいえ、誰もがアメリカンドリームを夢見ることができるわけでもない…。
自分たちを支えてくれるソーシャルネットワークが、時にはしがらみともなる。
何を一番大切にしたいのか≒優先事項ともまた違う。
何のため?誰のため?に、それが大切?
簡単に、自分の意志だけで決められるようでいて、決められない…。
前半のそんな思いが、後半、”広い”なんて形容では足りない空へ駆け上がっていき、心が満たされる。そんなイメージの映画です。
☆ ☆ ☆
≪もう少し詳しく映画について≫
特筆すべきは、他の方も絶賛されていますが、ディカプリオ様の神がかり演技!
いやもう、ただのイケメン俳優かと誤解しておりましたが、申し訳ありません。
きれいごとなしに描かれていると思います。
もう、放り出したくなるような無邪気さ、それでもの愛おしさ。
とはいえ、この家族が抱える問題はそれだけじゃないんだよな。
状況を考えると、息詰まる。
ディップ氏がいい。
色ものでなくても、色ものじゃないからこそ、すごく味があります。スパロウ船長よりこっちが好きだな。あれはあれで際立ったキャラクターですが。
他の登場人物も、一人でも欠けていたら違う味わいになったんじゃないだろうかと思う位、その役柄なりの存在感がある。
兄弟・ベッキーの影に隠れがちだが、姉妹もいい味出している。ギルバートに巻けじ劣らじのエイミーの諦観、黙々と家事をこなす。エレンはまだ幼いだけに、いろいろな気持ちを抑えない。兄・姉の本音の一部の代弁者?
母の悲しみ・虚しさ・激情と決意。ラストの母の行動。母なりのけじめがあんなことに…。ラストの表情を見ると、母なりの予想・覚悟はあったのかななんて思ってしまう…。
ラストの展開はアメリカならでは?日本なら罪になっちゃうけど、終わりと始まりの象徴。すっきりします。
小さな幸せ、でも大きな一歩。彼らならきっといいことあるよと見送りたくなるラスト。
Tengan suerute!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
意外に観る人を選ぶ映画かもしれません。
でも私にとっては、大切に箱に仕舞って時折開けてみる秘密の宝物にしたいような、誰かと共有したいような、そんな映画です。
キャストの豪華さだけ。それも後付けの
考えてしまう
およそ20年ぶりに再鑑賞。
年を取ってから見直すとまったく違った感想になるなぁ。
たしかこんなふうに見てはいなかった。
家族とは?
簡単に言うと、毒親による機能不全家族の犠牲になってきた、自分の人生を生きてこられなかった子どもたち、だった。
ギルバートは知的障害のある弟のアーニーの面倒を見つつ、夫を亡くしてから食べるだけになった『浜に打ち上げられた鯨』と化した母の食費を稼ぎ、その母と姉と妹と暮らしている。
これまで家族のためにだけ生きてきたと言っても過言ではない、自己主張をまったくしない青年。
ギルバートの察してあげちゃうところも悲しく見えてしまう。
そこへトレーラーハウスでギルバートの住む街に立ち寄ったベッキーがギルバートと知り合い、自然に惹かれ合う。
ベッキーとの自然なやりとりからギルバートは生まれて初めて自分のことを考えはじめるようになる。
移動するベッキーと一緒にいたくても家族を置いてはいけないギルバート。
これだけの機能不全家族でも家族の愛が強い。
というか、むしろ機能不全家族だからこその束縛の洗脳なのかもしれない。
自分を押さえつけてきて自我が芽生えはじめた反抗期の少年のように時々感情を爆発させてしまうギルバート。
この映画ではジョニデがほんとに普通の青年で、そうだ、ジョニデはかっこ良かったんだと思い出した。
知的障害の役を熱演というか好演というか、ディカプリオの演技はやはりスゴい。
ディカプリオ演じるアーニーの無邪気さとベッキーの美しさが、この物語の光のようなものだった。ホッとする何か。
他キャストも、ああこれにも出てたんだって人がいたりもして、もう一度見てよかったと思いました。
またふとしたときに見よう。
私たちの物語
これは私たちの物語だと思いました。
なぜなら、我々はみんな、程度の差こそあれ、誰かをケアし、誰かにケアされる存在だからです。
ただ、それぞれの形が違うだけの話です。
こういう作品――「勝つ」「捕まえる」「やっつける」「逃げる」など、主人公にはっきりした目的のないストーリーを描いた作品――を、退屈させずに観せていくのは、なかなか難しいと思うのですが、とても魅力的な作品に仕上がっていました。
そう来たか、というような予想外の結末にはちょっと驚いたけれど、暗さや悲痛さは感じなかった。
「家族の絆」(陳腐な言葉で申し訳ないですが)をあたたかく描いた秀作。若きディカプリオの名演に胸打たれた。
この硬直した不寛容な時代に、多くの人に観てもらいたい作品です。
追記
どうでもいいことだけど、このサイトの写真(家族で車に乗っている写真)は左右反転の裏焼きになってるな。ジョニー・デップが右ハンドルを握っている。
どうしてこうなっちゃったのかな?
初夏の風のような秀作。
若きジョニー・デップとディカプリオ。
対照的でともに見事な演技。
ディカプリオに至っては上手すぎ。
古い価値観に縛られた田舎町で
現実に対処できない母親、知的障害の弟、
難しい家族と責任をかかえ
ただ確実に可能性を失っていく日々。
それでも良い人でいたいと
ぎりぎりで踏みとどまっている青年の憂いが切ない。
彼の世界を開けようとノックする
ベッキー役のジュリエット・ルイスが素晴らしく爽やか。
おおらかでキュートでふわりと母性まで感じさせる。
ただ希望へと向かっていくようなラスト。
胸のすくような青空をプレゼントされた気持ちになる。
秀作。
少し希望の持てるラストが好き
もはや古典
どこまでも、どこへでもゆけギルバート
はあ、最高だったなあ。
まず、やっぱりディカプリオの演技力をまざまざと見せつけられました。あっぱれとしか言いようがない。あの若さであれだけの観察力ってすごい。顔だけじゃないんだなってことを初めて知りました。(失礼)笑い方から声がたまに裏声になっちゃう感じまですごくリアルだった。彼に支えられた映画だなあ。こういう演技をする人って思い出すのはショーン・ペンとかだよね。
そして、ジュリエットルイス。今の彼女を思うと、こんな役似合わないわい、とおもったけど、もう最後らへんはなんだか神々しかったよ、あのド田舎で、あの存在。この世のものではないね。
あのゆるくて穏やかだけど、いつまでも続いていく絶望って感覚を麻痺させるし、先が全く見えない(ある意味では見えている)んだよなあ。そんな役柄に影のあるジョニーデップがぴったりなんですわ…。もうどうしていいかわからん状態だったギルバートを最後ああいう形で救ってくれて本当によかった。
人生どこへでも行けるっていう証明のために映画ってのはあるんだよなあ。偉大だなあ。
しがらみとまどろみの複雑な感情
全112件中、41~60件目を表示