ギルバート・グレイプのレビュー・感想・評価
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いつの時代も愛される名作に
ラッセ・ハルストレム監督のハリウッド1作目であり、若かりしレオナルド・ディカプリオがオスカー助演男優賞にノミネートされた秀作ヒューマン・ドラマ。ジョニー・デップが「普通の」人間を演じているのも新鮮。
家族のためと自らを片田舎に縛り付ける青年ギルバートが自由奔放な少女ベッキーに触発されていく様を暖かく見つめる。
知的障害を持つギルバートの弟をディカプリオが演じているが、見事ななパフォーマンスを披露している。彼の芝居の巧みさはこの映画の質を大きく引き上げている。ベッキー役のジュリエット・ルイスの透明感ある存在感も素晴らしい。
古典的な家族愛の物語であり、青年の成長物語であり、人の尊厳を問うヒューマニズムでもある本作。いつの時代に観られても人の心を動かす普遍性が溢れており、古典の1本に将来はなるかもしれない。
柳楽優弥さん主演の「ライオンの隠れ家」を観て、番宣時にこの映画の...
柳楽優弥さん主演の「ライオンの隠れ家」を観て、番宣時にこの映画のタイトルを聞き、興味を持ったので視聴しました。
これはこれで、ライオンの隠れ家とは違う結末ですねぇ。どちらも良き道とは言えるけど時代や家族の形、土地柄によって彼らの先行きが十人十色であることが分かります。まず町の人たちが優しかった。時に無常な対応をされるときもあるけれど、それは人として平等にみた結果の対応として私にはみえました。いつの時代もヤングケアラーはいて、やっとその言葉が今になって認知されてきたように感じます。
若き日のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが観れたのも良き。どちらが素晴らしいんじゃなく、どっちも素晴らしい。ただ、私的には「ライオンの隠れ家」の方が好きかも。
平坦な田舎暮らしに少しのスパイス
ヤングケアラーだと思う
やっぱりデカプリオのシーンが可愛すぎたw
驚いたことに推定予算1100万ドルのこの作品、なんと世界興収は1000万ドルちょい。え?マイナス?
後にスーパースターになる2人の、素朴ながらキラキラ光をまとったような、神々しく美しい夢の共演がこの作品に納められていることを、心から感謝せずにいられないような作品でした。
海外サイトでは10代ドラマ、成長物語、悲劇とカテゴライズされていて、そんな単純な作品じゃないだろうとツッコミたくなりました。
原題"What's eating Gilbert Grape"とは「ギルバートが心配してること」「ギルバートを悩ませてるもの」とかいう、直球なタイトルで、太陽みたいに顔の半分くらい大きな口を開けて笑うアーニーとは対照的に、終始憂いを込めて髪をかき上げるギルバートにやられっぱなしでした。
この作品を観ながらずっと「コーダ、愛のうた」を思い出していて、家族のおちゃめな会話を微笑ましく聞きつつも、実際毎日家族の面倒を見なければならないストレスは、到底他人にはわからないでしょう。
ベッキーが愛情深くアーニーに接しているのは、やはり身内にとっても安心できるひとときだったろうと思います。
ちなみに、映画のプレミアイベントでデカプリオが現れた時、多くの観客がデカプリオが健常者だったことに驚いたそうです。この作品のジョニー・デップも美しかったですが、やはりデカプリオの登場シーンが多かったことが、この作品の成功に結びついてるし、感動を深めたのだと、強く感じました。
デカプリオの表情、ちょっとかすれた声、子供っぽい発音、ヒョロヒョロの体形、薄汚い服、ぎこちない動き…どうやってここまで知的障害を再現できたんだろう、と誰もが思うほどのリアルな演技。タイタニックですっかりアイドル俳優扱いされてしまいましたが、やっぱり彼はなかなかの怪優です。
ジョニーもすっかり変なメイクでハンサムを隠しがちではありますが、もしずっとこのままハンサム路線だったら…と思うと、その路線のジョニーの作品も観たかったなぁとは思いましたw
ありのままの姿で受け入れてくれた
1994年11月頃上映開始前日のテスト試写にて
何この子すごすぎる…。観終わってディカプリオは天才だと確信した。当時まだ10代とはいえ、こんなのアカデミー賞(助演男優賞ノミネート止まり)取らなかったのおかしいだろ、と思ったが、相手がトミー・リー・ジョーンズ(『逃亡者』)なら仕方ないか。まさか『レヴェナント』まで20年以上かかるとは思わなかったけど。
90年代のジョニー・デップは最高だった。八方塞がりな日常を送るナイーブな青年ギルバート役がぴったり。こういう等身大の人物が葛藤/逡巡しながら境界線上をふらふらする役をもっとやって欲しかったが。
お母さん役ダーレン・ケイツは体格以上の存在感。2017年に亡くなった際にディカプリオが追悼コメントを出していて、彼にとっても大きな存在だったのだろうな、と改めて感慨深かった。
ジュリエット・ルイスはブチ切れた役(ほぼほぼナチュ殺)の印象が強いが、ここではちゃんとした不思議な役だった。くすんだギルバートの世界に色をつけて、家族への義務感でがんじがらめになっていた心を解放してくれた。
あとで気がついたが、ジョン・C・ライリーも出てた。
ラッセ・ハルストレム言いにくい。
コミュニティの一員と来訪者/放浪者の関係性は『サイダー・ハウス・ルール』や『ショコラ』でもストーリーの中心にあったので、監督はそういうのが好きだったのかな、と後から思った。今は請負というか雇われ監督感が強くなっちゃったけれど(しょんぼり)。
これを観ていなかったらこんなに映画を観るようにはならなかったと思う。
2023/10/15 劇場で再鑑賞。うわあ、29年ぶりだあ!
初見時に心動かされたことは間違いでないと確かめられて、嬉しかったし安心した。どこへだって行ける、という言葉に改めて勇気をもらった。あと、勘違いしていたけど、これはミラマックス作品ではなかった。ハルストレム監督の次作『サイダー・ハウス・ルール』のポスターにはミラマックスのロゴ入ってるけど、こっちはパラマウントですね。
アーニーの一見カオスのような言動だって、時折背後にある感情や思考や家族への愛情が透けて見えるように思えてくるし、そう思わせるディカプリオのすごさに震える。
エンジンが直らなくてちょっとだけ嬉しそうにするギルバート。アーニーに振り回されることというよりは、むしろ自分の気持ちの揺らぎに狼狽えるギルバート。突飛なキャラクターでなくたって、ちゃんとできる子だよ、ジョニーは。まるで賢者のような聡明さのベッキーだけど、決して「昔からこんな風では」なかったんだろうな。
見直して初めて気がついたのが、床の掃除から地下室の出来事につながる一連の流れなど、エピソードのつながりの巧みさだろうか。プールとか大手スーパーとか給水塔とかさりげない小道具が物語を動かすネタになっていたりする。
あえて欠点を探すなら、何をどれだけ書いても、本作の魅力を全然伝えきれない気がすることか。
どこへでも行ける
心に響く素晴らしい作品
この作品を表現するなら、なんてすごい作品なんだろうの一言です
とにかくディカプリオの演技が素晴らしすぎ
演技とは思えない
そしてジョニデもすごい
イケメンのイメージが強いけど、この2人はやはり演技派だと改めて思いました
そしてストーリー
家族を支える次男のギルバート、もはや犠牲になっているような彼の人生
夫がいなくなってショックなのもわかるけど、そこで頑張る事を放棄したような無責任な母に腹が立って仕方がなかったです
子供達だって同じようにショックなのに、何で子供達のために頑張らず、むしろ足枷になっている母
ギルバートに全ての責任を押し付けて責めるってギルバートが不憫でしかありませんでした
もっと自由でいたいはず
母が立ち上がるのはもっともっと前に立ち上がってほしかった
でも、ベッキー、妹2人、友達、勤め先の雑貨店の店主、周りは皆優しい人
ずっと自分の人生じゃなかったギルバートの希望の見えるラストに安堵して心地良く観終わりました
こんな素晴らしい作品とは思わず観ましたが、本当に観て良かったです
派手さはないけどじわじわ心にくるストーリー、ディカプリオとジョニデの演技、忘れられない作品になりました
外見の美しさはいつかなくなるもの、それより人生で何をしたか、ベッキーのこの言葉がとても心に残りました
大切な事と思います
アイオワ州の小さな町エンドーラがとても良い。アーニーが勾留された建...
アイオワ州の小さな町エンドーラがとても良い。アーニーが勾留された建物が見るからにお城だ。人の表情やストーリーだけでなく、背景や車両、服装も見どころ。
太った母親が乗って傾いた車のシーンがあったり、説得力が随所にあって好きな映画。
細かいところをきちんと取り入れてくれているのでリアリティがある。
風呂に入らないアーニーって臭いんだろうなあ、と本気で心配になる。
アーニーを思う兄、兄を慕うアーニー、この二人をずっと見ていたい。
恋愛ものとしても満足できた。
家族が大事なギルバートが自分の人生を歩み始める素敵なストーリー。
ギルバートとベッキーが野宿した翌日の朝のベッキーの母親の表情が好き。
いろんな家族にそれぞれのドラマがあって、きっと人間って誰もが素晴らしい。
そう思わせてくれる映画。
いつまでも心に残るやつ…。
仄かに安堵
豪華声優陣
ヤングケアラーの問題で悩んでいる人へ
映画の公開は30年前の1993年で、ヤングケアラーと言う言葉の誕生も1990年代前半だそうです。
最近の問題とばかり思っていました。
私はヤングケアラーでは無いので実際とは異なる点があるかと思いますが、この映画ではヤングケアラー問題の表面だけでは無く、外からは見えない気持ちも表していると感じました。
この問題は1人では解決出来ず、かつ辛い時に頼るはずの身近な存在を常に支えないといけないと言う状況で、終着が見えません。
とても良い映画でしたが、現実では映画の様なことは起こらず、仕方がないと受け入れて解決策が無いまま日々が続いている人が多数だと思います。
なんとか国で対策を打ち出すべき問題と考えます。
今ヤングケアラー問題の最中にいる方はこのレビュー、この映画を観る余裕も無い位大変な最中だと思います。
もしも機会があれば問題を抱えている人もそうでない人も観て欲しい作品です。
不朽の名作と言われるのがわかる!
観たのは初めてだけど、いつ観ても同じ感動を与えられるんぢゃないかと思わせる作品。
ここ最近では一切見ることのできない『普通の人』を演じるジョニデに会える貴重なムービー📽いやいや、普通どころか『めちゃくちゃ人間できてる』男だよ。それなのに周りからの彼に対する評価は低過ぎる……
ヨッテタカッテ低評価を擦り込んだせいでギルバート自身も彼の普段の生活がいかに大変で凄いことをやってのけているのか気付けてない。
だから最後にギルバートが街を出るのには心の底から応援した💜
それにしてもレオ、凄かったな〜。
映画終わって外に出たら『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のポスター。30年経つとこんな風に変わるのか、としみじみ😂
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