市子のレビュー・感想・評価
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幸あれ
賛否両論あるけど傑作だと思う。
この作品を見るまで無戸籍問題なんて知らなかったし
そこまででなくても、人に言えない闇みたいなもんは
誰だって多かれ少なかれ抱えているだろうと思うからだ。
「万引き家族」しかり、こういう見過ごされてきた
社会の隙間みたいなものを映像として、
しかも上質な映画作品として世に残すことは意義がある。
本作では、川辺市子という人の人生を他者の目線で浮き彫りにしていく。
彼女が無戸籍になってしまったのは、ある意味で母の愛情からと言えなくもないし
彼女が嘘を重ねざるを得なかったのは、希望を捨てなかったからと言えなくもない。
特に「助けたい」なんていう感情は、エゴ以外のなんでもないし
誰か他者がジャッジしていい類のものではなく、
どこかに障がい者の人権軽視だとか法律軽視だとか言ってる人がいたけど
この作品にそういう感想を抱く人って何を見てるんだろうと。
反対に、母・川辺なつみの証言が嘘では?っていうレビューには目を開かれる感覚だった。
とにかく、こんなに鑑賞しながらハッピーエンドを願った作品は他になかった。
市子に幸あれ。
幸せになって欲しいけど…
訳が分からないままどんどんはまっていく展開
市子に感情移入してしまうし涙も流してしまったけれど、冷静になると4...
観ていて中だるみしてしまう
主人公の悲劇性のまとわせ方に違和感
2023年の邦画最高作という高評価ばかりを目にして期待して観たのですが、登場人物に感情移入できず、というか、感情移入しかかっていたのが、だんだんと設定・描写の不合理性ばかり気になってしまい、次第に心が離れ、終盤にはすっかり冷めてしまいました。
特に、社会問題的な設定が、ただ主人公に悲劇性をまとわせるためだけのご都合主義的な使われ方をしているように見えてしまって、心底残念です。
にもかかわらず、何かの忖度が働いているとしか思えない高評価なので、これが今の邦画シーンを流れる主流的な感性を捉えた作品なんだろうと納得するしかありません。また、高評価ばかりの中に、私のように受け入れられない人間がいるというのは、ただのつまらない作品であるというわけでもないのだろうとも思います(価値ある作品は評価が両極端に分かれがち)。皆さんがこの作品を観て、それぞれに考えさせられるという経験が、無駄にはならないことを祈ります。
まるで古谷実の世界観
名もなき人
突然行方不明となった恋人市子を探す長谷川はその行方をたどるうちに彼女の壮絶な過去を知ることとなる。そしてようやく現在の彼女にたどり着いたとき彼女はもはや自分の知っている彼女ではなかった。そもそも自分が知っていた市子という女性はこの世に存在したのか。
貧困、劣悪な環境で育った彼女には戸籍がなかった。法の不備やネグレクトなどが原因で今の日本では累計一万人もの無戸籍者がいると推定される。
重度の障害を抱える妹の介護は実質母子家庭では彼女の役割だった。ヤングケアラー、部屋には当然クーラーなどない。
むせるような夏の暑い盛り、彼女は妹の呼吸器を外す。息絶える妹、それに感謝する母親、これで肩の荷が下りたと。幼い彼女にとってそれは自分を守るためにした行為だった。
しかし、妹の戸籍を借りて学校に通う彼女の生活は妹の介護から解放されても変わらなかった。義理の父による性的虐待、それに耐えかねた彼女は相手を殺してしまう。苦しみから逃れようとした行為がさらなる苦しみを生む、この不幸な境遇を洗い流してくれと言わんばかりに彼女は土砂降りの雨に身をさらす。
高校を卒業し家を出た彼女、無戸籍ゆえにできる仕事は限られる。こんな自分は普通に生きていくことはできないのか。
過去を捨て市子として生きようとした彼女は長谷川と出会いひと時の幸せを手に入れる。だが彼からのプロポーズを受けた矢先、彼女の過去が容赦なく追いかけてくる。着の身着のままでその場から逃げ出す彼女。
市子として新たな人生を生きようとした彼女だったが、戸籍のない彼女はこの社会では存在しないも同然だった。婚姻届けも出せないのだ。そして自分は殺人者だった。この社会で誰でもない自分は殺人者であることだけは確かだった。そんな自分が長谷川と幸せになれるはずがなかった。
彼女は自分の境遇を呪ったことだろう。戸籍のない自分はこの社会では何者でもない、何者でもない自分がこの社会の何かに縛られて生きなければならないなんて理不尽だと。だからこそ彼女は何者でもない存在として最後の手段をとったのかもしれない。
市子の行方を捜す長谷川が彼女にたどり着いたとき、それはすでに自分が知っている彼女ではなかった。月子でもなく市子にもなれなかったどこの誰とも知れない自殺志願者の女なのだ。
自分の過去を知る同級生の北を殺し、自分の身代わりとなる女性も殺してその戸籍を奪った彼女。壮絶な人生の末にもはや引き返すことのできないところまで行きついてしまった彼女。
この社会のすべてのセーフティネットから零れ落ちてしまった彼女を誰が救えたのだろうか。自分ではどうすることもできない境遇に生まれ苦しみ続けた彼女が生きていく唯一の道はこれしかなかったのだと、そうするしかほかに道はなかったのだと思わせるほどの壮絶な悲しい人生。
作品冒頭とラスト、夏の日差しの下で汗を垂らして無心で歩く彼女の姿が描かれる。彼女は何者になったのか、ただの冷酷な殺人者か、あるいはこの社会でもがきながら生き抜こうとする何かか。
人間社会で置き去りにされた一人の女性の狂おしいまでの悲痛な叫びが聞こえてきそうな作品。女優杉咲花の存在感に圧倒された。
このような社会派を装った駄作を持ち上げる事こそ日本の闇
やたら絶賛されていたので鑑賞したが、何でも他人のせい、"日の当たらない場所に光を当てている自分"に酔った人間が作ったとしか思えない非社会派ダークファンタジーとでもいうべきか。まさかジョーカー、半地下の家族のような知性のない駄作が日本でも作られ絶賛されるとは…ただただ呆れるばかり。少し考えれば、おかしい事ばかりなのだが。
そもそも子どもの権利は?
終始カメラの揺れが酷すぎて酔った。こんな酷い物をお金を貰って人に見せようとする神経が理解出来ない。お金を貰っても見たくない。観客を馬鹿にしている。
ここからはネタバレあり。
まともに取材してないのがまるわかりな駄作。
この妹は障がい者手帳を貰ってないのか?
福祉サービスも一切なしであの医療器材はどうやって調達維持したのか?
重度の障害を持っているはずの子供が学校に健常者として通ってばれないのか?
病名だけ提示して雑な作りで病気を軽々しく道具として扱うことに躊躇もない作りで社会派ぶった作品。
市子は杉咲さんの作品選びの信用を失墜させた。今まで杉咲さんの作品はわりと見たが、それがなかったら二度と見たくない俳優になっていた。
先日杉咲さんが次の作品のインタビューでその事について話していたが、考えを改めたということだろうか。
3年も一緒に暮らして嘘をつかれてたわけでもなく素性を知らなかったのも、そんな相手にプロポーズするのも気持ち悪い。誘拐犯の心理みたいなものだろうか。
そもそも3年一緒に暮らしてる感じが全然しないのは演技力の問題なのか俳優同士の相性が悪いのかわからないが全く説得力がないと感じた。
市子が泣いたのはちょろい男と住んでたが、また1からやり直さなければという涙なんだろう。それにしても逃げようとしてるのに次の日テレビを見る余裕っぷり。長谷川が帰って来てから慌てるのも不自然。
警察が一般人にペラペラ話し行動を共にしたり、長々と戸籍の説明をし同情を誘っていたが、違和感しかない。
宣伝文句で市子を宿命としていたが、全くもって宿命ではない。子供の時の戸籍がない事も宿命ではなく、悲劇程度。親が出生届を出さなかっただけでいつでも改善出来ただろう。実際宿命は病気を患い自身の自由が効かない妹に使うべき言葉だ。一度は戸籍を取得しようとした時点で逃げたのは自分の意志。
そもそも、夫に居場所がばれない為に出生届を出さないという知識があるのが違和感なくらい何も考えずだらしない母親で矛盾を感じる。夫に問題があるなら通報し、戸籍は子供の当然の権利として取得、事実婚の相手が本当に家族として受け入れるなら養子に出来そうだが。役所が使えないと言いたいのかはわからないが、この母親がそこまでの努力をしていないように感じるが、子供の権利まで奪って役所に相談せずにいた理由はなんなのか。たしか妹は3歳違いだったはずだが、妹の戸籍は取得。せめてその時点で相談しないのはなぜか。不幸な可哀想な母娘演出と法律を無視する母親の選択をまさかの法律から抜け落ちたかのような演出に辟易する。小学校で誰もが習ったはずのこどもの権利条約すら忘れて書いてるのか?法律は守りません。でも権利は主張します。というような活動家の映画だろうか。まぁそういう人間もいたとしよう。その責任も当然親が負うべき事だが。
日本で子供が学校に行かなければ一般的に不審がられる。妹になりすますまで声も出さず、外にも出ずだったのか?
母親が申請しなかったとはいえ、妹になりすまし外の世界を知っているなら殺人が問題だとわからないわけはない。演出では介護が大変だったように見せようとしていたようだが、さして介護をしているような演技ではなかった。杉咲さんは過去作で介護を担う役を演じてそれなりに見えていたが、本作では普段から介護らしい介護はしていなかったようにしか見えなかった。逆にそういう演出ならば、介護苦での殺人というよりただ邪魔だからということになる。
窓開けておいて市子が襲われそうになってるのをわかりながら外から見ているのも気持ち悪い。インターホンなり大声で忘れ物!とでも叫べば状況変わるぐらい出来そうなのにしない。無理やり気が利かない男にしてそのシーンを見せるのも気持ちが悪い。殺人への持っていき方も雑。
北が気持ち悪いストーカーのように扱われていたが、むしろ長谷川の方がより気持ち悪いなよなよストーカーにしか見えなかった。それを良い人のように見せようとするせいで尚更気持ち悪い演出だと思った。
若葉さんの演技も演技に見えない自然な演技というよりただやる気がないように見えた。泣きそうな顔してるだけ。よく考えたら若葉さん出演作品いくつか見たことがあったが全部内容もなくだらだらと気持ち悪かった。そこで気づくべきだった。
病気の妹は雑に扱いながら中盤の無駄に長いキスシーン。この監督はこれが撮りたかっただけなんだろう。ただ気持ち悪いだけだったが。わざわざ見せなくても学生時代からそういう子だったことはいくらでも見せられる。
実際に題材になっている状況下にいる人に対して、あまりにも無礼で、フィクションだから何をしてもいいという驕りを感じた。
唯一森永さんはいい俳優だと思った。杉咲さんと森永さんの無駄遣い。同じ題材でも中学生ですらここまで酷く書けないだろう。
無理やり良い点をあげるなら見た感想でその人の犯罪傾向がわかることくらいか。
馬鹿みたいに騒ぐ頭空っぽ映画の方がずっとマシ。★0.5もつけたくない邦画史上最低な駄作。
生々しい
役者さんの演技、台詞が生々しく、見終わって
心がズシンと重くなった。
市子の境遇を見ると、
どんな感想を書いても、アンタには分からんわな。
と言われそうな気がして、
私は何を思えば良いのでしょうか?
と言う感じです。
初めこそ、
幸せになるチャンスはいくらでもあったじゃん!
と思ってたけど、
市子の過去が明かされると
どんどん希望が無くなって行く感じがして
どうすれば正解だったのかが全く分からなくなりました。
台詞が凄くリアリティーがあって、
近くの団地のあそこに住んでるのかと思わせるくらい
生々しくて、
若葉竜也さんの市子を知りたい純粋な気持ちと
杉咲花さんの自分で生きられないけど自分らしく生きやうとする様は観た人全ての心を揺さぶると思います。
全てが分かって、婚姻届の意味を知った時の
幸せなはずの絶望感は忘れる事がないと思います。
介護の事とか、それは違うだろ!と思うのだけど、
それを体験してないのに偉そうには言えない。
市子の力強い目からはお前には分からないだろうけど、お前はしっかり生きろと言われてるような気もした。
主演が「52ヘルツのクジラたち」の 杉咲花 と言うことで観てみる・...
限界やったんよ。もう、いろんな事が…。
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