市子のレビュー・感想・評価
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一番最初に伏線があります
素晴らしい映画でした。 本作の一番最初のシーンに伏線があります。 ぼーっと見ていたら見逃してしまうような。 海に何か浮かんでる。 一番最初は一番最後。 本当に素晴らしい映画でした。
なぜこのような映画を作るのか
なぜこのような映画を作るのか、 そんなことを考えながら観ていた。 私にはその良さが分からない。観なければよかった。 本当は1点をつけたいが、主演女優の頑張りに1点。 けど、あの髪型が嫌いだ。
何とも言えない
杉咲花の演技が良かった。 ストーリーの見せ方も良かった。 車から見つかった男女の死体。 そして市子はいずこ・・・ 気持ち的には最終的な結末が見たいけど 作品的にはあれでいいんだろうな。 見ていて引き込まれる感じだったし。 いい作品だと思う。
市子が自分に不都合な人間を消していき、なんとか平穏な生活を求めて生...
市子が自分に不都合な人間を消していき、なんとか平穏な生活を求めて生きていく様が上手く描かれていた。与えられた境遇に抗いながらも逃げていく市子の生きづらさを杉咲花の演技が醸し出している。
杉咲花の凶暴性
2021年公開の99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIEを鑑賞して以降、杉咲花の出演する作品をほとんど観ていない。 この作品での杉咲花は愛嬌のあるコメディリリーフとして抜群の存在感だった。 劇団チーズtheaterの舞台「川辺市子のために」を、主宰者の戸田彬弘自らが監督し、杉咲花を主演に迎えた本作「市子」。 たかだか2、3年の間に彼女は一体どんな経験を積んだのだろうか。 もはや何の参考にもならないが、外見こそ刑事専門弁護士の頃とちっとも変わっていないように見えるし、むしろ本作では女子高生時分をそのまま演じている。 誤解を恐れずに言うと、例えば松本まりかのような俳優が出演する作品がある場合、個人的にはその外見や年齢とのギャップがある種の起用のポイントであったり見どころでもあったりするのではないかと思うのだが、杉咲花の場合、登場した時点で可憐さはあっても妖艶さやそれに付随する凶暴性を感じ取ることはまず不可能なのではないかと思えてしまうのである。 ちひろさんや劇場版TOKYO MERの時にも触れたが、近年の若い俳優の、役に対する演技力の深みが素晴らしいのは言うまでもないが、さらにその役柄を本人の人柄とフラットに見せてしまうことが出来る技術は本当に凄いことだと思う。 杉咲花。 良い意味で恐ろしい凶暴性を秘めたトップクラスの俳優であることに間違いない。 ちなみに作品としては、2022年公開の「ある男」とセットで鑑賞すると、より同一線上の世界観が楽しめるのではないかと思う。
夏の果
夏の匂いと静寂が心に響く作品。 特に衝撃的だったのが、妹を殺めるシーンの長回しの静寂。 その静寂が怖くも感じるし、悲しくも感じる。 妹の酸素マスクを外した時、市子は何を考えていたんだろう。 市子を見つめる妹は何を思ったんだろう。 お母さんが帰宅したあと、「お母さん。うちな…うち…」と口を開いた市子は何を言いたかったんだろう。 あと、エンドロールに音楽が使われていないのも斬新。 夏の物悲しさが伝わってくる。
大きな違和感がある
市子が筋ジストロフィーの妹の人工呼吸器を外すシーンがある。仕事から帰ってきた母親がそのことを知ったとき、なんと「市子、ありがとう」と言うのだ。後に母親の告白で「もう限界だった」とあるので、妹のためではなく、自分たちの介護疲れで殺したということになる。どんなに介護が大変でも母親はわが子に生きてもらいたいと考えるものだ。世の同じ境遇の母親たちが介護疲れで難病のわが子を殺したなんて聞いたことがない。この殺人と母親の「ありがとう」は、同じ境遇の人たちにあまりに無頓着で失礼だと思う。
そして、妹を殺しておいて(他に3人も殺している)良心の呵責も感じないで自分は幸せを求める市子を、戸籍もない過酷な環境で育った幸薄い女みたいに描いているのには大きな違和感がある。「人は殺しているけど、かわいそうな女なんだよ」とでも言いたいのだろうが、どれも情状酌量の殺人とは思えず(注)、第一、市子を見ていると同情も共感もできない。
(注)母親の男から罵声を浴びて殺すが、あの程度の罵声で人を殺すのは異常。
凄い映画。
めっちゃ辛い。 みんな普通に幸せになりたいだけやのにね。 この曖昧な感情を、市子の少ないセリフ、表情、立ち振る舞いで見せてくれた本作は、ずっと心に残ると思います。(劇場で見れなかったけど…) 杉咲花さんの演技やばい。 若葉くんも最高。 みんな最高。
ずしりと残る作品
採点4.2 プロポーズした翌日に失踪した恋人を探す、そんな闇を探るような作品。 まず主演の杉咲花がすごい存在感で、今までよりも確実に迫るような芝居が見られました。 もちろんそれは隣の若葉竜也があってこそとも思います。 二人の芝居は本当見応えがありました。 物語は謎を紐解くべく市子に関わりのあった人々達を訪ねるのですが、そのエピソードをその人物事に時系列を散らしたりと、じわじわと見えてくる演出がとてもうまかったです。 そういえば真逆のような物語ですが、同監督の「名前」に通ずるものもありましたね。 あと、すごく静かなのですが脚本がものすごいです。 心から嬉しかったプロポーズ、それは考えた事もない幸せの瞬間。 でもそれは、その幸せの終わりとなる現実。 冒頭に出てきた婚姻届とその笑顔が、後半でものすごい意味になって帰ってくるのがすごかったです。 そしてこれも冒頭から度々歌われていた「にじ」。 「おかいつ」や「おといつ」などで度々流れていて、家族で馴染みのある温かい歌。コンサートでも良く聴いたものです。 でもこれは、叶わぬ幸せをずっと願ってきた、市子の空虚さを物語っていました。 そんな歌のようにあるであろう明るい場所を、きっとまた探して彷徨っていくのでしょう。 苦しくもあるのですが、逆に当たり前の事が幸せであることを再確認できました。 この問題は今年4月に制度が変わったので、作品を通し少しでも理解が深まる事を願います。 ずしりと残る、とても深い作品でした。
ずっと夏
たくさんの蛾や虫が自然に集まってくる夏の明かりのように、市子は誰をも惹きつける。無口で殆ど笑わないし相手に何も聞かず自分のことも言わないのに。そんなに孤独で寂しく辛くて悲しいのに誰かに手を差し伸べる市子を杉咲花が素晴らしく怖ろしく演じていた。台詞も少ない、顔芸の芝居ではない、大袈裟に泣き叫ばない。とても難しい役だろうし、脚本と演出もいいのだと思った。時間軸があちこちに動くのは結構好きだが、市子はその時何歳かいちいち計算していたので計算苦手な自分を恨んだ。 日本の夏は能天気に過ごせない、悲しみの季節だと思う。そんな夏を杉咲花は、花火とか、浴衣とか、縁日の屋台とか、ガリガリくんアイスとか、麦茶とか、汗で表現した。それらは決して定番の夏・小道具ではない。全部、市子の中から出てくるものだった。 「市子」が一人居たら、実際はその何倍も何十倍も何百倍もの「市子」が日本に世界に居るんだと思った。映画「存在のない子供たち」を思い出した。 おまけ 「いだてん」(平均視聴率ワースト・ナンバーワンって信じられない。あんなに面白いのに。最初から最後まで見た最初で多分、最後の大河ドラマ)で杉咲花に初めて出会った、そこで彼女は二役演じた。まずは元気に走る女の子、「結婚なんかしなくていい~!」と女学生に叫ぶ体育の先生のシマ役として。シマは人見絹枝(ダンサーの菅原小春、素晴らしかった!)を見いだし力づけ勇気を与えた。そのシマに励まされた人見は日本で最初の女性オリンピック選手となりアムステルダムで銀メダルを獲得する!それ以前、シマは関東大震災で消息をたつが結婚していて娘も生まれていた。その娘のりく役で第二の杉咲花に出会うことができた。このドラマの鍵となる重要な役どころを杉咲花は可愛く健気に強く逞しく演じていた。 私はいったい何のレビューを書いているんだろう・・・
むずい
この人が悪い!と明確に決められるわけではなく、破綻した家族システムの中で起きてしまった悲劇だなあと思いました。
でも1番の被害者は月子ちゃんじゃないでしょうか。他の登場人物にはまだ選択肢がある中、体が不自由な月子ちゃんは選べない中で一方的に殺され、誰にも死を悲しまれない、、
かなりキツかったです。
市子も存在を否定されなかなか過酷な家族環境で育ち、被害者の1人ではありますが、
何人もの人を殺しておきながら自分は幸せになるぞーと考えていて、自責の念はないのかなとか殺人をして心のバランスを保てるものなのかなとか、ある意味精神面の強さを感じました。
展開が読めずおもしろかったです。
無戸籍というワードが特別感を演出している
アマプラで観ました。見返したりもしました。
時系列は飛びますが難なく理解できる範囲。上手く面白くしていると思います。とてもおもしろかった。
無戸籍では無いにしてもこういう女性のお話というのはあると思います。
私はジョゼを思い浮かべましたが、市子も最初の殺人の時から一人で生きる覚悟はあったはずです。人に頼ることが頭にないのです。北くんは勝手に覗き勝手に隠してヒーローになろうとした。北くんや殺されたオッサンは被害者かもしれないけど、仕方ないんじゃないかな。市子の前では。
長谷川も市子の人生経験の糧であり、作品上必要なキャラですね。
幼少期、うまくできなかった友達が社会に出てみるとできたり、結婚までのプロセスを学び、戸籍まで手に入れた市子。立派な犯罪者ですが、逆に存在しない人の犯罪ってどうなるのだろうか。
自分が長谷川の立場だったらしばらくは未練があると思いますがそのうち「いつかまた会えたら良いな」くらいになるだろうから、進んで口をわらないと思います。
自分的にはハッピーエンドでしたね。
最後のお祭りのシーンが回想ではなく、新しい名前を名乗ってやり直しとかだったら大興奮だったかもですが笑
誰より虐げられた被害者は市子と月子だから
また観たいと思わせる作品。
戸籍は手に入れたのだろう。
これから、保険証やケータイの心配はなくとも、また市子と名乗れない長い長い苦痛の日々が始まるのだろう。
それでも、長谷川くんと過ごした市子としての3年間は、これまでの人生にはなかった、小さくとも濃い光になるであろうことは、彼女にとっても観てる側にとっても救いだなぁと思った。
妹が死んだ後の母親の歌には、狂気の中にも呪縛からやっとの思いで逃れたという解放感があったのに、同じ歌を、シアワセから離れざるを得なかった市子が歌うシーンはすごくすごく切ない。
エンドロールが鼻歌なのもとても良かった。
欲を言うなら長谷川くんのバックボーンもちょびっと欲しかったかなぁ。
個人的な望みとしては長谷川くんが市子に逢えて欲しかったけど、逢わせないことで市子のこれからの人生の切なさがより浮き彫りになってすごく染みた。
悪が否か
4人もの人を殺害して、今もなお、違う名義を使い生き続けているかもしれない戸籍のない市子。 作品を見れば見るほど、杉咲花さんの演技にやられます。 騒然な幼少期の壮絶な日々や、想像もできないほどの生き方。 長谷川さんと居た時間はすごく市子にとって幸せな時間だったに違いありませんね。 殺人犯なのに同情してしまう。 難しいテーマの作品でした。
悲しい
杉咲花さんの演技に脱帽。プロポーズされて涙する可愛らしい女性…からの失踪、存在しない事実、過酷な過去…。
始まりがもう自分ではどうしようもできないことだから…。なんであの時月子とツキコを入れ替え、月子と市子を入れ替えないとダメだったのか。なんで無戸籍なんかにしたんだ…とか、いろいろ考えた。
最後はショックでした。市子は、生きることを諦めなかったし、そのために人を殺すことをいとわなかった。あのストーカー男は、大人しく殺されたんだな…。なんか怖いし悲しい映画でした。
杉咲花 若葉竜也 森永悠希が良い
杉咲花さんが良いと聞いて観に行きました。ちょっと変な髪型が、剥き出しの顔が、汗が染みたTシャツが、大阪弁が、アイスの棒の咥え方が良かったです。なんだか高校時代ばっかですね。あ、でもプロポーズされた際の泣き顔も良かったです。浴衣姿も見たかったですね。 恋人役の若葉竜也はちゃんとストーリーを牽引してました。 森永悠希さんも良かったですが想像の範囲内。でも若い人達が頑張ってて嬉しくなります。 中村ゆりさんはハマってましたけど、なんかいつも、何をやっても不幸になる役ばっかやってる感があって少し可哀想。キレイなのに不幸顔なのでしょうか。
親ガチャとその後の人生
何て言うか、結構どんよりします。 市子は不幸な生い立ちから逃れられず、やっと掴めそうな幸せすらも受け入れることができない…なんて可哀想な人なんだろうと思った。少なからず幸せな瞬間もあったけど、市子の心の中には常に気がかりがあってそれが解決しない限り本当の意味での幸せは来ない。そしてそれを一生抱えながら生きていく。そんな悲しい話でした。 正直言うと、作中でも解決方法は提示されてるのに、ちゃんと向き合おうとしない感じが私的にですがモヤっとします。 ハッピーエンドではないのでそこら辺踏まえて見るといいのかもしれないですね。
幸あれ
賛否両論あるけど傑作だと思う。 この作品を見るまで無戸籍問題なんて知らなかったし そこまででなくても、人に言えない闇みたいなもんは 誰だって多かれ少なかれ抱えているだろうと思うからだ。 「万引き家族」しかり、こういう見過ごされてきた 社会の隙間みたいなものを映像として、 しかも上質な映画作品として世に残すことは意義がある。 本作では、川辺市子という人の人生を他者の目線で浮き彫りにしていく。 彼女が無戸籍になってしまったのは、ある意味で母の愛情からと言えなくもないし 彼女が嘘を重ねざるを得なかったのは、希望を捨てなかったからと言えなくもない。 特に「助けたい」なんていう感情は、エゴ以外のなんでもないし 誰か他者がジャッジしていい類のものではなく、 どこかに障がい者の人権軽視だとか法律軽視だとか言ってる人がいたけど この作品にそういう感想を抱く人って何を見てるんだろうと。 反対に、母・川辺なつみの証言が嘘では?っていうレビューには目を開かれる感覚だった。 とにかく、こんなに鑑賞しながらハッピーエンドを願った作品は他になかった。 市子に幸あれ。
幸せになって欲しいけど…
杉咲花さんに引き込まれる 市子と月子の表情が違ったように見えた。最後のシーンは月子のそれだった。 一部分だけを見てその人を決めつける事はしてはいけないなと思った しかし奥底にある闇はとても深い 市子には幸せになって欲しいとは思うけれど、そのためには何をしてもいいとは思わない
全355件中、61~80件目を表示